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努力は裏切るのか、裏切らないのか

さて、大学受験、中学受験、さらにはスポーツでも使われる名言・モットーとして有名なのが「努力は裏切らない」。
でも本当に努力は裏切らないのか? というのが今回のお話。
無論これに関しては統計資料があるわけではないので(あるのかな?)、多くの偉人たちの感覚的な言葉に頼るしかなくなる。

努力といえば、何しろ最初に紹介しなくちゃならないのは王貞治。「努力は裏切らない」派だ。

努力は必ず報われる。
もし報われない努力があるのならば、それはまだ努力と呼べない。

何やらブラック企業・ブラック上司の香りがしてきますな。
俺は努力してここまでやってきたんだ、お前だって努力すればできる、ということなのだろう。
だが待って欲しい。王貞治を王貞治たらしめているのは、彼が日本プロ野球で868本の本塁打を打ったからだ。
ここで日本プロ野球の通算本塁打記録の一覧をお目にかけよう。

01王 貞治  868
02野村 克也 657
03門田 博光 567
04山本 浩二 536
05清原 和博 525
06落合 博満 510
07張本 勲  504
07衣笠 祥雄 504
09大杉 勝男 486
10金本 知憲 476
11田淵 幸一 474
12土井 正博 465
13T・ローズ 464
14長嶋 茂雄 444
15秋山 幸二 437

この15人は王貞治と、王貞治の本塁打の半分以上を打った者である。
日本プロ野球は83年の歴史で、まだ王貞治の半分を超える本塁打打者を15人しか輩出していないことになる。
(松井秀喜は日本プロ野球だけでは332本。MLBと合算して507本。)
これだけの大記録を作ったんだから、もはや何を言っても許されるに決まっている。
「努力なんてあまり意味がない。才能の前では借りてきた猫だ」
「運が重要だ。人間は70%の水と30%の運でできている」
「練習すると打球が伸びなくなる。焼肉くって酒飲んで練習に遅刻した日がホームランは出やすい」
もう何でもかんでも「王貞治が言うんだからそうだよな」でOKだ。
この辺りはつけ麺さんがくれたコメント((5/17「林修の納得のいくところ、いかないところ~時々、西城秀樹追悼」でのコメント)が鋭い。
>これって確固たる地位を築いた林さんだから言えることであって、新人塾講師が、「出来なくてもいい、考えることに意味があるんだ!」ってやったらあっさりクビだよね。

そう考えるとワンちゃんが「努力は必ず報われる」と言ってくれたことに、我々は(特に子供を持つ人間すべては)感謝しなくてはいけない。

次に「努力は裏切る」派を紹介しよう。
前回に引き続き林修先生だ。

努力は裏切らないって軽々しくいいますけど、補足してあげる必要があるんです。
正しい場所で、正しい方向で、十分な量なされた努力は裏切らない。


これらの条件を満たさないと「努力は裏切る」そうだ。
さて、一部の世界では上記の林氏の言い回しを「詐欺師の常套句」と言う。
何故なら「じゃあ最初に、正しい場所で、正しい方向で、十分な量なされた努力を定義してくれ」となるからだ。
それを明確にしないでいいなら、成功した者を「あなたは正しい努力をした」と言えばいいし、失敗した者に対しては「あなたは正しい努力が不足した」と言えばよくなる。
つまり、単なる結果論だ。
そうした批判をかわすには、前述したように「正しい場所で、正しい方向で、十分な量なされた努力」をまず定義しなくてはならない。
そんなことは不可能だろう。

で、「じゃあ努力は裏切るのかよ、裏切らないのかよ」と訊いてくる学生にはこう言うしかないね。

裏切りは女のアクセサリーのようなものさ。いちいち気にするなよ。
by Lupin Ⅲ

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コメント

No title

まあ プロスポーツの努力と受験の努力は別次元だと思った方がいいでしょうね。その理由は

○レベルが違う・・・ 毎年3000人も入る東大と 日本、あるいは世界でトップにならなければならないプロスポーツはあまりにレベルが違う。

○努力の方向が明確か不明確か・・・受験の場合、数学の超難問を除けば比較的努力の方向がわかりやすい。英単語を一つ覚えれば確実に前に進む。スポーツは筋トレしたからと言って必ず前に進むわけではない。

 さて、努力ってそもそもなんだろう。オラ受験の時は大学への数学の学力コンテストばかりやっていた。これは努力とは言わない(多分)。逃避である。数学は楽しい。英単語覚えるのは嫌い。机に向かって数学やれば「勉強している気分にはなる」のである。

 好きなことを楽しくやるのは努力だろうか?
 嫌いなことを苦痛と戦いながらやるのが努力だろうか?  どっちも努力だろうか?

あとよく言われていて納得できるのは「努力の必要性とその効果」がわかっているかどうか。
得意教科って、「この努力をする必要性」「これを理解することが教科の中でどのくらいの価値があるか」が容易にわかる。
 苦手教科はわからない。わからないからやる気になれない。なんか焼け石に水な感じがしちゃうんですよね。

受験に関して言うと、努力の正しい方向と到達すべきレベルは、ほぼほぼ確立されてるんじゃないかな?
問題は、人によって努力の所要量が違うってことと、努力を続けること自体が簡単じゃないってこと。
ダイエットに似てるかもね。

No title

アホ息子長男と 夕食食べながら「苦手教科」の話をした。

オラ「パパは本当に苦手教科勉強しなかった」
息子「何それ。 苦手はなくせ、苦手こそ勉強しろって散々言ってたくせに。大人ってそうだよね。自分のことは棚に上げて子供に言う」
オラ「違うよ。自分が苦手から逃げて痛い思いをしたからその経験を生かして言っているんだよ。決して棚には上げていない」
息子「ふ〜ん なんか言い訳に聞こえるけど」

・・・・・

昔 「炎の転校生」という漫画があって、その中に
「心に棚を作れ」と言う箴言があった。
心に棚を作ってそこに自分を置けばなんでも言えるのである。
子育てで一番役に立った言葉だ。

「炎の転校生」とは懐かしい!

ちょっとした攻撃で悪の帝国(学校)が崩れるさまを不思議に思った手下に対して首領が
「深爪しただけでも人間は戦えなくなる」と表現したのが、今でも覚えている。

No title

”正しい場所で、正しい方向で、十分な量なされた努力は裏切らない。”

失敗しても、全て受験生のせいに出来る、狡猾なフレーズですね。
受験という相対評価によって結果が決まるものに、万人に有効な必勝法などあるはずも有りません。それなのに必勝法があるかのような言動は、詐欺と言われても仕方がないと思います。巷に溢れる、お手軽に成功が手に入る啓発本の類いと同じです。

しかし一方で、受験勉強ほど他の事と比べて努力が相対的に有効な物もないと思います。出題範囲が決まっていて、だから過去問をマスターすることが有効なんて、実社会ではあり得ない条件です。なので私が林氏の立場ならこう言うでしょうか。
”残念ながら努力は万能ではない。でも私の知る限り、受験ほど努力が結果に直結するものはない。”

陸宿借さんへ

> ”残念ながら努力は万能ではない。でも私の知る限り、受験ほど努力が結果に直結するものはない。”

ああ、これが一番しっくりきますね。
名言リストに入れさせていただきます。

No title

「裏切らない」という言葉を信じようとすること自体が、甘えだと思います。受験に限らず何事にも確実なことなど有りません。裏切るも何も、一定量の努力と引き換えに、受験の神様が合格を保証してくれるシステムなど存在しないのですから。
「努力してもかなわない事もある」「ずっと好きだよと言われたけど、そうでなくなる事も有る」等々、当たり前の事を若いうちに実感して理解しておく事が、長い人生において必要な事だと思います。

No title

皆さんの努力についてのお話を読んでいたら、「青春」という詩を思い出しました。探して読みました。

いいですよね~青春。

No title

>「裏切らない」という言葉を信じようとすること自体が甘え・・・

おっしゃる通りだと思います。私もずるがしこいので、常に裏切る可能性もみてる。でも、そうでない人もいる気がします。「努力は裏切らない」とばかりに本当に努力する人、昔は嫌いだったけど、今は好きです。

ななしさんへ

私も、ひたむきに努力をする人は尊敬します。
「努力しても報われないかも知れない」と思って努力しない人は、結局何も進歩しませんから。
そんな偉そうな事を言っている私も、あまり努力は好きな方ではないので、こんな事を言う資格は無いかも知れませんが。

No title

あの羽生さん(将棋の方です)も英会話は挫折したそうです。

「将棋の奥深さ、楽しさを英語で直接伝えたい」と英会話を始めたものの・・・(もう数十年前のことです)

で、羽生さんの言(記憶ですので細部は違っているかもしれません)
「昨日より今日が進歩していると実感できると楽しいし頑張れる。ところが英会話でもスポーツでも何でもどこかで踊り場に突き当たる。努力しても進歩が感じられなくなるのです。こうなると苦しい」

 まあ将棋の天才 羽生さんでも「どんな分野でも努力できるわけではない」んですにゃ。当たり前か・・
 羽生さんでも「苦手教科」があるんだ、と嬉しくなったのを覚えています。

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ジャーナル・ギャップ

Author:ジャーナル・ギャップ
酒と野球とミステリーをこよなく愛するが、なんの因果か中学受験についていろいろ書いていくことに。

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