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海城、武蔵、麻布が教える「社会科」という魔境

先日、次のようなネット記事を読んだ。
“新御三家”海城中学高等学校が取り組む「自ら考える教育」【名門校のトリビア】
https://news.yahoo.co.jp/articles/393d7485c724730d990b3c3dfe4e3a1b06333635


記事の中身は別に大した話ではない。
しかし「海城では社会科に独自の科目を設けている」ということが気になった。

若い徳光和夫
※若かりし頃の徳光和夫。海城OBである。

社会科という教科は、不思議な教科だ。
その名の通り「社会」を教える教科なのだが、実際に科目を見ると、世界史・日本史・地理・政治経済・倫理。
いずれも社会の一部分ではあるが、社会そのものとは少し違う。

そもそも我々の暮らしているこの社会とは、一体何なのだろうか?

おそらくこの問いに対する答えはさまざまだろう。
ある人にとっての「社会」と別な人にとっての「社会」は、重なるところよりも重ならないところの方が多いに違いない。
我々の目を通して映る「社会」は、とらえどころがない。

もし現在ある社会の姿のみを教えるのならば、「社会科」の殆どの科目は必要ないだろう。
しかしそんなことを教わったところで、何に使えるかわからないけれども。

いまある我々の社会は、過去の歴史からの「続きもの」で、いま生きている人間だけで作ったわけではない。
またそこに住む人間は、それぞれの文化の影響を受けている、というより、文化に縛られている。
それは宗教であったり政治であったり気候であったり、海や氷河や険しい山々だったり。

そうした諸々のことを理解する礎として、世界史・日本史・地理・政治経済・倫理があるのだろう。
そしてその奥底には、人間は住む場所・時代・文化において多種多様である、というある種の多様性の許容、または諦念が流れていると思われる。
どんな大帝国であっても、統一基準・統一文化はつくれないのだ。


冒頭に紹介した記事では海城の社会科のことを書いていた。
以前紹介したが(「クイズ:どこの私立中学のエピソードでしょうか?(2018/03/20))武蔵では(というより武蔵の一教師では、くらいにしておくか)歴史そのものではなく歴史の勉強の仕方を教えている。
麻布では「世界」という総合的な教科を作り、そこで各地域の歴史・地理・政治・文化をまとめて教えている。

この3校の他にも好奇心の強い男子(もちろん女子も)を、「社会科」という魔境へ探検させる学校はあるだろう。
入口(偏差値)と出口(大学実績)だけでなく、こうしたところにも中学受験校を選ぶ醍醐味はある。


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コメント

No title

中一の地理の授業が、一年間かけて『三酔人経綸問答』
中二の日本史の授業が、一年間丸々近代中国史
中三の世界史の授業が「モンゴルモンゴルムガール」から始まって、一年間丸々16世紀以降インド史
この中学校は実在する

魅力的すぐる!

え、なにそれ、すごく魅力的。
どこの中学校ですか!?

No title

 アホ息子が居間で社会を勉強している。
横から覗くと 啓蒙思想のようだ。

啓蒙思想大事だぞ〜 試験に出るぞ〜 ちゃんと覚えろよ〜
なんとなく来年の入試には啓蒙思想や民主主義の歴史が頻出しそうに思う。

No title

テスト前でない限り、オラの家では週末は家族で麻雀をする。

最近、ようやくみんな役を作れるようになった。 一応麻雀らしくなってきた。
で、今日、アホ息子2号が、どこで覚えたか
I shall win. とか言い出した。 I will win ではない.shall だ。    で、ツキまくってその通り勝ちやがった。 
I shall win. とかぬかして勝たれるとなんかむかつく。

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ジャーナル・ギャップ

Author:ジャーナル・ギャップ
酒と野球とミステリーをこよなく愛するが、なんの因果か中学受験についていろいろ書いていくことに。

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