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『薔薇の名前』と007とホームズ

俳優のショーン・コネリーが先月末、亡くなった。享年90歳。
まあ、大往生だろう。

ショーン・コネリーと言えば、俺より上の世代にとっては、やはり007、ジェイムズ・ボンド。
俺もショーン・コネリーの007はカッコいいと思うが、リアルタイムでは007はロジャー・ムーアだったので、ショーン・コネリーは007というよりヘンリー・ジョーンズ教授であり(『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』)、ジム・マローンである(『アンタッチャブル』)。

そして何よりバスカヴィルのウィリアムなのだ(『薔薇の名前』)。

薔薇の名前

『薔薇の名前』が日本で封切されたのは、wikiによると1987年12月。
その前から俺の周りではなぜか『薔薇の名前』旋風が湧きおこっていた。

どうもイタリアで凄いミステリが発表されたらしい。
記号学者が書いた、衒学的なミステリのようだぞ。
中世の修道院を舞台にしたアンチミステリという話だ。


もうこれを聞いただけでうずうずしてくる。
しかし次のひと言は、何にもまして俺のミステリ魂を揺さぶった。

探偵役の名前は、バスカヴィルのウィリアムとのこと。

バスカヴィル!
これは読まねばならない!
ミステリに無縁の人はさっぱりわからないでしょうが、バスカヴィルと言ったら唯一無二。
コナン・ドイルが書いたシャーロック・ホームズ物の大傑作『バスカヴィルの犬』である。

その名前を使ってきたということは、この原作者、ウンベルト・エーコという男は、かなりミステリを知っている男だぞ。
もっと言うなら、ミステリを捻ってくるユーモアのある男だぞ。

そして1987年12月、俺は原作が翻訳される前に映画『薔薇の名前』を見ることになった。
※原作が翻訳されたのは1990年。
※小説も映画も、大傑作。

さて、ユーモア云々で言うなら、こんなシーンがあったら俺は映画館で笑い声を立てていたかもしれない。

ショーン・コネリー扮するバスカヴィルのウィリアムが、修道院の図書館で書物を調べている。

「ほう、これはすごい。ここにはさまざまな碩学な博士の名前が記されている。
私の知らない名前もたくさんある。自分の浅学を思い知らされるようだ。
アッシリアのマルケリヌス、ポリュビオス、ティトゥス・アウグスタ、ドクトル・ノオ……おや、最後のは聞き覚えがあるな」

監督ジャン=ジャック・アノーは、そういう悪ノリをしない人であったようだ。


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コメント

No title

薔薇の名前・・
これはよく覚えている。
昔、ちょっと体調を崩して入院したことがあった。その入院のベットで読んだのだ。 入院とかたっぷり時間がある時でないと読めない文字数のミステリーだ。(オラにとっては)

 記号論みたいな話になって眠くなるとそのまま寝られるというメリットもある。

No title

ショーンコネリーがソ連軍潜水艦の艦長かなんか演じたことがあった。

その冒頭かなんかでロシア語を喋ったらしいのだが、それを見て
鷺沢萠さんが「変」と書いていた。 (演技ではなくロシア語がぎこちなかったのね)

 故鷺沢さんは上智のロシア語学科除籍。すんごいハードだったらしい。

レッドオクトーバーを追え!ですね。
先日もBSで追悼放送してましたよ。

鷺沢萠といえば麻雀か

鷺沢萠とは懐かしい。
この人が亡くなったときは、1週間ばかり似たような名前の別の人が亡くなったんだと勘違いしていた。
それぐらい「死」とは無縁な生き方だったと思う。

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ジャーナル・ギャップ

Author:ジャーナル・ギャップ
酒と野球とミステリーをこよなく愛するが、なんの因果か中学受験についていろいろ書いていくことに。

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