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東大入試は課金ゲームか?

今回は前回の記事「東大を巡る環境VS.遺伝」(2020/11/22)の続き。

前回、布瀬川天馬氏の記事を紹介した。
「課金ゲーム化」する東大受験。学歴は結局、資金力でほぼ決まる
https://nikkan-spa.jp/1698451


この記事の中で布瀬川氏は次のように結んでいる。


 東大受験に限らず、難関大学への受験が「課金ゲーム」となってしまうと、それは社会階層の再生産に繋がります。平たく言えば、金持ちの子供は金持ちに、貧乏人の子供は貧乏人にしかなれない社会へとなってしまいます。

 僕自身も世帯年収300万円台という貧乏な世帯の出身ですが、貧乏な暮らしを知っているからこそ、大人になったらお金持ちになりたいと願うものなのです。そんな希望が「大学受験」というフィールドで早くも「金銭の暴力」の前に叩き潰されてよいものでしょうか?

 そもそも生まれ持った能力や環境自体が「ガチャ」に近いものではありますが、だからこそ大学受験というイベントは出生という名の「ガチャ」の結果に左右されないような、できるだけ平等かつ一発逆転が可能なイベントであってほしいのです。

 貧乏人が東大に行きにくくなっている現代の大学受験は、いったい誰のためのものなのでしょうか。


さて、ここで布施川氏は「難関大学への受験が「課金ゲーム」となってしまう」と書いているが、これは本当のことだろうか。
カネを積めば東大でも早稲田でも慶應でも合格できるというならば確かに「課金ゲーム」だが、現実は違う。
それが本当ならそれは「裏口」というやつだ。

さらに、サピックスに通う生徒が全員御三家に合格できるわけではない。
鉄緑会だって、みんながみんな東大や国医に合格するわけじゃない。
※ちなみに、鉄緑会は他の予備校に比べると費用は高くない。むしろ安い方である。

カネのかかる私立中高一貫校に通う生徒だけが東大に合格しているわけではない。
30%超、およそ1000人が、公立や国立から合格している。

もちろん「サピックス-御三家-鉄緑会」は有利なルートかも知れないが、それを「課金ゲーム」というのはいささか横暴だ。
ましてそれを、「「金銭の暴力」の前に叩き潰されてよいものでしょうか?」などと表すのは、被害者面しているようにしか俺には見えない。

BJ150億
※こうなるとさすがに「課金ゲーム」だし「金銭の暴力」でもある。

端的に言おう。
布施川氏はサピックス-御三家-鉄緑会に通う子供たちは努力していないとでも思っているのか?
それとも東大入試の点数には値札がついているとでも思っているのか?
お前がどれだけ努力して東大に入ったかは知らんが、金持ちの家の子供だって同じぐらい努力して東大に入ってるんだよ。

そもそも今の東大入試のスタイルが「貧乏人が東大に行きにくくなっている」というなら、どんな入試スタイルをご所望か?
理3以外にも面接を導入する? ボランティアや資格試験を点数化する? 
多分今の入試以外の入試スタイルは、今以上に金持ち有利になると思うぜ。

それとも世帯年収をスコア化して、入試の点数に反映しようか。
もちろん貧乏な方が有利になるように。
ただそうすると自営業が圧倒的に有利になるな。
対象となる年度に損金や設備投資を集中させれば、一気に「貧乏」を装着できる。

と言うかだな、そんな入試をやったら、東大が何の大学かわからなくなっちゃう。
東京大学は「公平に」頭の良い奴を集める大学だから、頭の良い受験生に人気があるんだ。
貧乏人だろうと金持ちだろうと、アイドルオタクだろうとスポーツマンだろうと、親父が犯罪者だろうと政治家だろうと、ブサメンだろうとイケメンだろうと、そんなもの関係ない。
単純に頭が良い奴が、つまり入試で高い点数が取れる奴が合格する。
このシンプルさが、受験生に信頼されている所以だ。

布施川氏がそんなに「このままだと東大に貧乏な人が合格できなくなっちゃう」と思っているなら、今の入試方法に変わる選抜のあり方を提示するか、某掲示板において「中学受験なんて意味がない!」「公立中からでも東大に合格できる!」「けっきょく地頭で決まる!」と言ってる人たちに「お前たちがそんなヨタ飛ばすから、東大入試が金持ち有利になるんだ!」と戦って欲しい。

面白そうである。

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コメント

No title

ご無沙汰です。
布瀬川さんという方の記事はヤフーニュースで読んだことありました。

二月の勝者という漫画で、受験は課金ゲーム、というフレーズが流行ったので、東大受験は課金ゲーム、というのもなんとなく受け入れられそうな雰囲気なんでしょうね。
秘書さんたちのお子さんたちが昨年中学受験だったので、私も影響されて二月の勝者を読んでしまいました・・・

お金をかければ大学受験も有利になるという一面はあると思います。
でも、お金をかけないでも、試験をクリアする人は一定数いるので、布瀬川さんという方の主張は外れているような気がしますね。

我が家は、中学受験では相当課金して、中高はそこそこ課金してますが、子供たちが東大に行くことはなさそうです。
布瀬川さん的には、東大受験にはかなり有利なのですが(笑)

息子の方は、西の方に行きたがってるようですが、どこを受けても今年は厳しいかなという雰囲気が、家内経由で伝わってきてます・・
娘の方は医学部志向かなあ、今のところ。

人生は長い、しかし時が経つのは早い

>息子の方は、西の方に行きたがってるようですが、どこを受けても今年は厳しいかなという雰囲気が、家内経由で伝わってきてます・・

まあ人生は長い。
ゆっくり考えるもアリだね。
それにしても、(一度も会ったことありませんが)坊やも大学受験とは、時の経つのは早いもの。
※とはいえ、何度か麻布にはお邪魔しているので、もしかしたらすれ違っているかも?!

>娘の方は医学部志向かなあ、今のところ。

それは素晴らしい。
ぜひとも女性科学者のロールモデルに。

地頭>環境かな

 やはり東大合格には地頭は必要条件です。一方、環境は必要条件はないでしょう。細かな数値は気にしないで、私の感覚だと。
 地頭があるけど劣悪な家庭環境のため大学どころか高校もろくにいけない。不幸にも孤児になったとか、親が借金で夜逃げしたとか、あるとは思いますが、これは無視してもいい数値です。
 地頭がよくて、公立高校にいけて、合計10万円程度の参考書や問題集を買ってもらえる環境なら、一浪以内で東大にいけます。(ただし、浪人は特待生必須ですが、中小予備校なら、東大有望圏の生徒はまず特待生を獲得できるでしょう。)
 と書いて、実は結論が出てしまったというか、SAPIX→御三家→鉄緑コースが多少有利といっても、多分、東大合格者のうちでその環境で合否が入れ替わったのは、ボーダーの1割程度でしょうね。
 そもそも、御三家や灘から東大に合格できる生徒は、中学受験に縁のない地方で生まれても、公立高校と10万円程度の参考書問題集だけでもきちんと東大に合格してきますよ。
 逆にそういう才覚がない生徒をSAPIXドーピングで御三家に押し込んでしまうから、深海魚からFランク大という悲劇が生まれてしまうんです。
 もちろん、理三はさすがに全てのステップでドーピングがないと苦しいでしょうが、でも医者になるなら、駅弁医にいけばいいだけで、日本において、SAPIX→御三家→鉄緑がないことでドリームを実現できなかった受験生はいないでしょうね。

鈍感な東大生VS感受性豊かな子供たち

 前回の書き込みだと、私は中学受験不要派になってしまうんですが、私は、感受性豊かな中上位層は中学受験で環境を買ったほうがいいと思っています。
 東大合格というのは鈍感力の勝負で、誘惑に負けないとか、不義理をしてでも断れる精神力が必要です。それを実現するのが、自制心かアスペかサイコパスかは東大の入試では問われません。
 だから、東大合格レベルの才覚がある生徒は、公立中で不良が学級崩壊させても、マイペースで勉強していたりします。
 問題は早慶から日駒にいたる層で、会社組織として必要とされるコミュ力とかチームワークを得意とする、思いやりや感受性が豊かな層です。公立中に行くと、不良に感化されたり、不良の立場を尊重したりするリスクがあるので、中学受験をしたほうがいいです。そして御三家とか高望みをせず、中堅の私立一貫校に行くほうが、一番、いい結果になるでしょうね。

「貧乏人が東大に行きにくくなっている」のか?

「貧乏人が東大に行きにくくなっている」の意味するところが私には正しく理解できていませんが、とりあえずデータを確認しようと思い、東大が公表している以下の資料を見てみました。

①2000年(第50回)学生生活実態調査の結果
https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400004697.pdf
②2018年(第68回)学生生活実態調査報告書
https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400131321.pdf

上記①の8頁と②の41頁に、東大合格者の家計支持者の年収額分布が載っています。上記①②を合わせると1984年~2018年のデータが(ところどころ年が飛びますが)載っています。
私がこのデータを見る限りは、この数十年で低年収層の割合が特に増加しているようには見受けられません(正確には統計学的な処理が必要になろうかと思いますが、直感的には)。

この数十年間のわが国全体の世帯所得の推移とも比較しなければならぬと思い、政府統計をまとめた以下の資料も見てみました。

③グラフで見る世帯の状況-国民生活基礎調査(平成28年)の結果から
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/20-21-h28.pdf

上記③の16頁に一世帯当たり平均所得金額の推移が載っていますが、バブルが崩壊して数年後の1994年(664.2万円)をピークにその後は漸減しています(2017年は545.8万円)。
わが国全体の平均世帯所得が漸減する(上記③)中にあって、東大合格者に占める低年収層の割合が減少していないように見受けられる(上記①②)ので、これらのデータからすれば「(過去との比較において現在は)貧乏人が東大に行きにくくなっている」とは言いにくい気がします。
それともここでいう「貧乏人が東大に行きにくくなっている」というのは、「過去数十年前から現在までずっとそういう状態が続いている」ことを問題視しているのかしらん。

No title

150億円あったら東大行くかなあ?
持ったことがないのでわからん。

まあ、世の中には大財閥で高学歴もいる。そんな連中は未来永劫支配階級にいたいと思っていて、それに東大が有益だと考えているんだろう。
(実際 有益なのかもしれない)

凡人のつぶやき

>会社組織として必要とされるコミュ力とかチームワークを得意とする、思いやりや感受性が豊かな層です。
→そういう人材を求める企業が多いので、無理して東大なんて行かなくてもいいんじゃねって思ってる人も多いのではないかと思っています。

 てか、カネとか以前にほんとにすんごく頭良くなきゃ無理だから(^^; by凡人

No title

>それにしても、(一度も会ったことありませんが)坊やも大学受験とは、時の経つのは早いもの。

まったく。
僕の頭の中の息子は、いまだに肩車をせがんでくる幼子だったりすることもあるのですが、現実世界では、私と息子の間に会話はほとんどありません・・・

麻布は息子にとっては良い学校のようです。
だいぶ前に家出したことがあって、どこいったのかな~と思ったら、学校に泊まっていたようでした。
彼にとっては、学校は安らぎの場のようでした。

あまり書くと、私が誰かわかってしまうかな(笑)

平校長、喜びますよ

>彼にとっては、学校は安らぎの場のようでした。

なにかの時に、平校長に伝えてあげてください。
彼、きっと感激すると思うな。

>あまり書くと、私が誰かわかってしまうかな(笑)

安心してください。
学校に寝泊まりする奴、あの学校にはたくさんいますから(笑)

No title

東大に合格するための対策が、他の大学受験対策に対して高価なものとは思いません。ロングさんご指摘の通り、鉄緑は比較的安価ですし、東進のサテライト授業により、地方の受験生は自宅に居ながらにして東大合格実績の高い塾の授業を受けられるようになりました。

一方で、首都圏と地方の分断は続いて居るように思います。早慶の首都圏ローカル化が言われて久しいですが、主因は経済的な問題でしょう。地方から早慶に進学するのは、経済的な観点では東大よりハードルが高いです。地方から出て来た学生が、仮にバイトせずに早慶に通うとなると、学費と生活費で年間300万円程度は親が負担する必要があります。

ところで、今年の東大合格者の学校別の内訳を見て気になったことが1つ。それは、都立高校から理Ⅲには1人も合格していない、ということです。関東まで拡げても、公立高校からは、水戸一からの1名のみ。理Ⅲに合格できる素質のある生徒が全て国私立に集まっているとは思えないので、理Ⅲとなると素質だけでは超えられないメソッドの差があるのかも知れませんね。

No title

いまさらのレスで、すみません

>理Ⅲに合格できる素質のある生徒が全て国私立に集まっているとは思えないので、

そう思います。ギフテッドは均等分布してるはずなので。

>理Ⅲとなると素質だけでは超えられないメソッドの差があるのかも知れませんね。

通常「メソッドと環境」が大きく左右し、素質を持つギフテッドの場合「環境」が大きく影響するのではないでしょうか?

東大生たちがつくる「合格サプリ」、私が読んでた頃ですが入試得点文理TOP対談があって理のTOPは常に理Ⅲってわけではなく、共通してるのはTOPの子って無欲だなって思いました(これ配って受験対策にしてるガッコ、手抜きしすぎ!)

ギフテッドと思われる、前人未到の全科目センター満点さんも、開成がその才に驚愕し奨学金作った子も理Ⅲではないので(両方、無塾・フツーの公立生とか)「うぉぉ理Ⅲに入るぞ」と思わせる「環境」や「周りや親の価値観」が重要なのではと想像いたします。

ギフテッド抽出、日本は組織的には行っていないけど、無欲なギフテッドさん、きっと全国にいると思いまふ。

No title

私が出逢った理系トップの方々は、無欲というか、俗世を離れて生きていた感じがします。理Ⅲに入れるなら理Ⅲに行っとけ、というのは典型的な俗世の発想だと思いますが、受けてたら理Ⅲ確実、と高校時代の同級生や塾での知り合いが口を揃えている英才で理Ⅰ進学という方々は、世間の評価は関係なく、自分のやりたいことをやるために大学に来た、という方々でした。

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ジャーナル・ギャップ

Author:ジャーナル・ギャップ
酒と野球とミステリーをこよなく愛するが、なんの因果か中学受験についていろいろ書いていくことに。

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