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間違えない中学受験2~人はついつい理想を見てしまう

今回は先日の記事「間違えない中学受験1~熱心に勉強してはいけない?!」(2020/10/12)の続編です。
続編ですから、できれば前回の記事を読んだうえで読み進めた方が良いです。

さて前回、次の3点が入口(偏差値)と出口(大学実績)だけを考えた中学受験での勘所だと書きました。
・がんばった状態の偏差値を基準にしない
・チャレンジしない
・進学先では半分より上の成績でスタートできるようにする

今回はその解説です。

前回最後に
しかし「入口(偏差値)と出口(大学実績)だけを考えてみる」といいながら、出口の話に全く触れていない。
この受験法の真意は何なのか?

と書いたので、出口(大学実績)の話をします。

入口(偏差値)と出口(大学実績)だけを考えた中学受験で一番やっていけないのは、出口で失敗することである。
入口で失敗しても、出口で成功すれば、おおよそどんな人でも喜ぶものだ。
たとえば海城不合格で芝に進学することになっても、東大の理科一類に合格したなら「海城-東大だったらもっと良かったのに」と残念がる人はいない。

では出口で失敗するとはどういうことか?
「東大や国医に行けないのは失敗」などとほざけるのは筑駒か開成だけなので、今回は相手にしない。
Y80で60程度の男子なら、難関12国立+早慶あたりがターゲットか。
(難関12国立の中身は、今テキトーに書いたのでよくわからん。旧帝一工神戸筑波千葉あたりで手を打とう)

しかしそれは「ターゲット」ということで、そこに行けないからと言って「失敗」というわけじゃない。
となるとマーチ下位の中央法政以下あたりか。
それともマーチまではOKと緩く考えるか。

ちなみにY80で63の海城の合格実績を見ると、下位はこんな状況。(カッコ内は浪人)
※医学部医学科は除いた。並びは海城ホームページ順。

埼玉工大 01(01)
東京国際 01(00)
獨協大学 01(01)
日本工大 01(01)
文教大学 02(02)
ものつく 01(01)
千葉工大 06(02)
中央学院 01(01)
亜細亜大 01(01)
工学院大 02(01)
国士舘大 03(03)
駒澤大学 05(03)
成蹊大学 05(02)
成城大学 02(00)
専修大学 04(02)
大東文化 02(01)
玉川大学 01(00)
中央大学 47(22)
東京電大 06(05)
東京農大 03(00)
東洋大学 06(03)
日本大学 23(10)
法政大学 24(08)
武蔵大学 01(00)
明治学院 01(01)
デジタル 01(01)

これは合格実績だから、進学者数はもっと少ない(筈である)。
しかし海城でも深海に堕ちると、こうした大学に進学する羽目になるかもしれない。

で、問題の本質に入る。
特別にがんばらずに、塾の課題を粛々と解いて偏差値60ならば、海城を受けるべきではない。
芝、攻玉社、城北、巣鴨あたりを受験すべきだろう。共学なら広尾学園。
とにかく出口で失敗しないためには、入学時点で低くとも全体の真ん中あたりにはいたいところだ。

300人の150番からスタートするのと、250番からスタートするのとでは雲泥の差だ。
しかし中には「海城に行った方が妥協して芝に行くよりもいい大学に行ける」と主張する人もいるだろう。
そうかもしれない。海城の方が芝に行くより、周りの優秀さに引っ張られてさらにがんばって、優秀な大学に合格できるかもしれない。

しかし俺が言いたいのは「優秀な大学に合格する」ということじゃない。
「失敗しない」ことだ。東大や国医に受かることではなく、マーチにもひっからない、ということを回避するための作戦だ。
さっき書いた「300人の150番からスタートするのと、250番からスタートするのとでは雲泥の差だ」というのは、上位に入る話ではない。
300人の150番からスタートするのと、250番からスタートするのとでは、深海にどちらに堕ちやすいか、という話である。
もちろん芝の方が海城よりも、マーチ未満の層は厚いだろう。しかし堕ちなければいいのだ。

まとめるとこうなる。
入口(偏差値)と出口(大学実績)だけを考えた中学受験では、上を目指さない方がいい。
上を目指せば目指すほど、取り返しのつかないことになる確率が上がる。

「どうもお前の書いていることはおかしい」という感触を持った人も、多いに違いない。
おそらくそれは出口(大学実績)を考えることが、そのまま上位の大学の合格者数や合格率に繋がっているからだと思う。
しかし実際は、そんな生易しいものではない。
以前書いたが、受験するときは我が子の学力を「受かるかどうか」というギリギリを想定しているのに、受かった後は何の根拠もなく「だいたい真ん中ぐらい」などと思い込む。
だから6年後の「伸びしろ」を過大に見積もりやすい。

だが本当の話をすれば、6年前には思いもよらなかった大学に進学する場合もあり得るのだ。
早稲田大学の推薦枠を200程度持っている早稲田高校(1学年300人)ですら、マーチ以下の私立大学の合格の合計が110もある。
医学部医学科を除いた数ではないので海城と比較はできないが、Y80で64あっても深海に住みつくとそうなる。

そんなにうまくはいかない

結局のところ、入口(偏差値)と出口(大学実績)だけを考えた中学受験というのは心底難しい。
入るときはとにかく少しでも偏差値の高い学校を目指し、そして入ったら入ったで少しでも偏差値の高い大学を目指す。
書けばただそれだけのことだが、それでうまくいく奴は、つまり下位層で入学して上位の大学に合格する奴は少ない。
自分の子供だけは大丈夫と思っているのかもしれないが、そんなわけはない。

だから俺は前回書いたように、中学受験では入口と出口の間の6年間が一番重要だぜ、と事あるごとに言うのだが、どういうわけかある種の人にはそれが理想論に聞こえるらしい。

理想を見ているのは俺じゃないんだがな。

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コメント

No title

 甥っ子が海城だったので、内部資料を見せてもらった事があります。真ん中より下の子だと、底辺医学部すら受かっていないのは衝撃でした(底辺出身の私に言われたくないでしょうがw)。
私の高校は名門中学から高校に上がれなかった奴らの受け皿みたいな所だったので、同級生は学芸大とか久留米大附設とか色々いました。
 息子は今年、中学受験ですが深海にならないチョイスは重視しています。

No title

>入口と出口の間の6年間が一番重要だぜ、と事あるごとに言うのだが、どういうわけかある種の人にはそれが理想論に聞こえるらしい

これ、ほんまに大事ですよね。

救いようがないほどアホな愚息、いまも愚息ですが進学先がヒットし数学だけですが偏差値*0、UPしました。いや、学校って凄いな(塾は行ってないっす)

もうAHOでAHOでどうしようもなかったので、我流で学校の伸び率を計算し(教員能力や**を最大重視)、まわりには大反対された学校にねじり込みました。計算ビンゴ。ぐふふ。

逆に、いわゆる有名校??でも自由放任すぎてダメにしてくれた学校もあるし、あー名前出せないのが苦しい。

入口と出口の間が大事、日々実感しております。
けど、入る前にはなかなかわからないもんですね

No title

深海魚の生き方

オラは高校に入って秒速で落ちこぼれた。
授業についていけないのだ。

英語 古文 地理は赤点 化学も赤点だった。
1年生の成績は350人中 320番くらい。
最後まで200番以下だった。

ちなみに3年生の時は共通一次が終わった後、古文の赤点再試験を受けた。 不合格だと留年だった。 共通一次が終わった後、二次試験にまるで関係のない古文の勉強をしていたのだ。

 まあそんな深海魚生活だが、得意教科だけはできた。 人間、1教科でも得意教科があると、それを糧に生きていける。  これは大事だ。1教科でいい。これだけは負けない、という教科を作るのだ。(可能なら英語OR数学がいいが、「歴史オタク」「古典キ○ガイ」「物理バカ」でもええ)

 深海にだって熱水噴出孔みたいなオアシスがあるのさ。

>人間、1教科でも得意教科があると、それを糧に生きていける。

これは仕事でも痛感します。
「この分野の知識や経験なら上司にも部下にも負けない」という分野が一つでもあると、
その分野では上司や部下から頼られ(一目置かれ)、それが支えになります。

No title

>これは仕事でも痛感します。

 そうなんですよね。
 オラなんて得意だけで飯を食っている。

 ただ、先日 とある研究室に取材に行ったら、
研究者の机に

「成長したければ自分の一番得意な武器を捨てよう」  と貼ってあった・・

 これは厳しい言葉だ。
 武器を捨てたら凡人は飢えて死ぬ。

まあその人は凡人ではないのだろう。

 

海城の下位の進学実績のなかに自分の母校があって少し嬉しい。

居場所

>「この分野の知識や経験なら上司にも部下にも負けない」

これって自分の居場所になりますよね。
居場所のある人は強いですし、したたかです。

※「したたか」って「強か」って書くけど、「強さ」とはまた別な尺度なんだよなあ。俺的には。

セレブな奥様方の知らない世界

>武器を捨てたら凡人は飢えて死ぬ。

→日本は、武器すら持てない底辺の人間でも何とか生きていける国です。

 前にも書いたかもしれませんがGeminiさんは学生時代3日間だけ土方のバイトをしたことがあります。仕事の準備や簡単な掃除等の後片付け、杭にビニールテープを結ぶ等の軽作業、ちょっとしたお使いやお茶出しで日当1万円。庶民感覚だと普通に割りの良いバイトです。ところが、セレブなお嬢様方は、低学歴のド底辺しかやらない3Kの肉体労働みたいに思っているんですよね(/。\)
 
 底辺てそこじゃないですから・・・

 ホントにホントの底辺てのはそのもっともっとずっと下。深い闇の中にあるのです。そして、そこには底辺で生きるための暗黙のルールがある。
 確かに抜け出す事は難しいけれど、悪知恵を働かせれば飢えて死ぬような事も無いのです。

 陽の当たる道しか知らないセレブな奥様方が近付いてはいけない危険な世界。それが本当のド底辺。ぶっちゃけヤバイので私もそこは避けて通ってま~す(^^;

漢検

>※「したたか」って「強か」って書くけど、「強さ」とはまた別な尺度なんだよなあ。俺的には。

娘が家で勉強しているときには私も一緒に何か勉強することにしているのですが、夏に取り組んだ世界史がひと区切りしたので、今月からは漢検を始めました。

2級の問題集を半分ほど解いてきて問題なさそうだったので(書けそうで書けない漢字は多少あるものの)、今日準1級の問題集を買ってみましたが、愕然としました。2級との難度の乖離が大きすぎる。
読めない、書けない。「動もすると」の読みが「ややもすると」とのこと。
やれやれ。

No title

 アホ息子1号が、明日定期試験だっていうのに スマホゲームをやっている。
 
 「ほほう、試験前日にゲームなんてやる余裕があるんだ。 普段の勉強の成果だ。 」

 なんて訳はない。
 
 勉強せい! 全くもう。
頼むから太陽光が当たる深度にいてね。

PC-98

>アホ息子1号が、明日定期試験だっていうのに スマホゲームをやっている。

私も中三の一学期まではゲーム三昧でした。
定期試験前は勉強しましたが(といっても田舎の公立中の定期試験だから、たかが知れている)。

どうせやるならスマホゲームでなく、プレステなど据置型の重厚長大なロールプレイングゲームのほうが面白い(やりこみ要素が多い)気がするんですけれど、そうでもないのかしらん。
スマホゲームをしたことがないので、その面白さがよくわからず。

そういえばふと「PC-9801」を思い出しました。
ゲームが大好きだったので、いっそゲームを作ってしまおうと考え、友達の家のPC-98をあれこれいじってました。結局うまく使いこなせなかったけれど。
もし僕がそっち方面にのめり込んでいたならば、今とは違う人生を歩んでいたかもしれません。

光合成(ときにメタファーとしての)ができるか否か

>頼むから太陽光が当たる深度にいてね。

連投すみません。
ハルビンさんの上の言葉が頭にひっかかったので調べてみたら、海洋や湖沼において太陽光が届く水層のことを「有光層」(ゆうこうそう)と呼ぶのだそうですね。初耳でした。

以下は「有光層」についてのwikiの解説。
+++++
有光層の定義には広義のものと狭義のものとがある。広義の有光層は、生物が光を感じる限界(海面の 1/10^9 くらいの光強度)までの層を指す。一方狭義の有光層は、光合成生物の補償深度(海面の 1/10^2 くらいの光強度)以浅の層を指す。この層は真光層(euphotic zone、ギリシャ語で『よく光る』の意)と呼ばれる事もあり、真光層に含まれない微弱な光(光合成の収支を維持できない量の光)が到達する層を薄光層や透光層(disphotic zone)として呼び分ける。定義の包含関係をまとめると以下のようになる。

広義の有光層 = 狭義の有光層(真光層)+薄光層(透光層)
+++++

なるほど。

No title

しかしアホ息子1号の数学の課題は難しい。

オラ、こんなの高校でやったかなあ?
 問題によっては理科大の入試レベルだと思う。

 首都圏の中高一貫って中学でこんなのやってんの?
 そりゃ 敵わんなあ 地方は

早く外を見るべし

いや、ホントに難しいですよ、中高一貫の数学。
国医や東大理一なんて、公立高校からじゃあ至難の業です。

だから優秀な公立高校生は、早く外の世界を見るべきでしょうね、塾でも予備校でもいいですが。
本当の敵は、学内よりも中高一貫の中にいるわけですから。

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ジャーナル・ギャップ

Author:ジャーナル・ギャップ
酒と野球とミステリーをこよなく愛するが、なんの因果か中学受験についていろいろ書いていくことに。

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