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「開成VS大森学園」という馬鹿ロジック

先日に引き続き四谷武慶さんの「中学受験をぶっ壊せ! 新時代の考え方」というブログを俎上にのせます。
<前回記事>
「青山学院高等部は無試験で入学できるって本当?」(2020/09/26)

さて今回は中学受験サゲ高校受験アゲの方々のオーソドックスな主張を見ていきます。
「開成 VS  大森学園 東大合格近道は?」
短い記事ですから、全文をご紹介します。

開成高校偏差値(78)
中学受験して開成中学合格。素晴らしい。小学時代を親も子も疲弊しました。飛び上がるほどの感動を得たことでしょう。しかし上位200番以下での合格は不幸です。
大森学園偏差値(45)高校しかない大田区のスーパー?ランク高校です。ただ東大が2名出ました。
このレベルの子が東大など受かるはずがないと。開成の450番以下ならば、大森学園の最上位にはかなわないということです。開成中学を受験する子が公立に行けば断トツの1番でしょう。その子があの大森学園でも東大に行けるのです。非常識な中学受験を回避し、公立中学でコストをかけず大森学園東大へ。スーパーコスパがいいですね。


これは「開成なんか行っても200番以下なら東大行けないけど、大森学園という偏差値45の学校からでも東大が2人出ている」ということを盾にして、「非常識な中学受験を回避し、公立中学でコストをかけず大森学園東大へ。スーパーコスパがいいですね。」

やれやれ。┐(´д`)┌
そうしたいならそうしてくれ。・・・・・・いやぜひともそうしてくれ。

よくよく考えればこういう人がいなくなれば、中学受験というのが今よりずっと合理的な空間になる気がしてきた。
でもこんな馬鹿なことを読んで「そうだ、開成の下半分になるくらいなら大森学園に行こう」なんて奴、いるかいな。
(ところで大森学園から東大2人ってすごいな)←伏線(笑)

しかし大森学園を出してくるなら、こういうロジックも成り立つ。
日比谷高校の上位45名で受からないなら、西高校の上位25名に入れないなら、大森学園に行った方が良いです。
難関都立受験なんか意味ないです。

中学受験と高校受験を比べるよりも、同じ高校受験を比べる方がノイズが少なくて正しい物の見方ができるでしょう。
尤も正しく見えてしまってはいけない話なんでしょうが。

さて、四谷武慶さんは何故こうした過ちを犯してしまったのでしょうか。
(おそらくは四谷武慶さんは、自分が間違っているとは露ほども思っていないでしょう)

たとえばここに一人の男児がいます。その男児のお母さんに受験の神様がやってきて、こんなことを耳打ちします。
「オタクの坊やは開成中に合格します。でも上位200番以下の合格です。ちなみに高校受験では大森学園にも合格できますが、どっちを選びますか?」
これで「じゃあ、大森学園で」と選ぶ人はどれくらいいるのか?
しかし大学合格に拘った場合、四谷武慶さんによると大森学園の選択の方が正しいことになるが…。

じつはここに錯誤が隠されています。
受験の神様は「開成中に上位200番以下で合格する」と言ってますが、「東大に合格できない」とは言ってません。
また、「大森学園に合格できる」と言ってますが、「東大に合格できます」とは言ってません。

しかし四谷武慶さんは、まんまとその陥穽にはまってしまっています。
四谷武慶さんは開成中に「上位200番以下での合格は不幸」だと書く。なぜなら、東大に合格できないから。
それぐらいなら高校受験で大森学園に行けばいいと書く。なぜなら、東大に合格できるから。

しかし入学時の成績がそのまま卒業時の成績になるわけではないし、そもそも大学受験の一般入試は指定校推薦ではないので、学校ごとに合格者枠があるわけではない。
つまり大森学園が毎年東大合格者を出しているわけではない。

【大森学園合格実績】
年度 東大 京大 一工 旧帝 早慶
2020 00 00 00 00 01
2019 00 01 01 03 04
2018 00 00 02 00 02

………東大受かってねえじゃねえか!

なんだって~!
※この画像は使い勝手がいいなあ。

どっから「東大が2名出ました」なんていう情報、持ってきたんだ?
公式HPにも載ってないし。

まさかと思うが、「東京海洋大学」が2名合格しているのを見て、「東大が2名出ました」と騒いだわけじゃあるまいな。
……「そんな馬鹿な間違いするわけない」と言い切れないところが怖い。


★★★補足★★★

前回の記事のコメント欄で甘えん坊将軍さんが該当コラム「中学受験をぶっ壊せ! 新時代の考え方」のおかしな点を書いてくれていますので、ちょっと深堀しようと思っています。
それにしてもおかしんだよなあ、この人。

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コメント

No title

 「結果同じ」論 というのがある。
千葉で言えば、渋幕に行こうが市川に行こうが芝柏に行こうが「結果、行ける大学は同じだよ」という理論だ。
 
「絶対渋幕」でもなく「鶏口牛後」でもなく「同じだよ」という理論。

 証明が極めて難しいので理論ではなく「説」と言った方が適切か。証明が極めて難しいのと同じように反論も極めて難しい。 そんなもんかなあ、って感じだ。

 まあ第一志望に落ちた家庭にとっては信じたい「説」でもある。
 
 もちろん きちんと勉強すること、が必須条件なのは議論をするまでもない。

大森学園の東大合格者に関して

20014年8月のリセマムの記事で、「過去30年で初めて東大が出た」と紹介されているので、おそらく2014年の東大文一が最初の東大合格者であろう。
2015年から2017年は不明だが、ざっと調べた限り、どうもいそうもないな。

No title

大森学園の特待生には、都立や川崎のトップ高玉砕組の子がいるのでポテンシャル的に東大の可能性が無いわけではありませんが。職場のご近所の学校なので、東大2人も出たら10年は忘れない衝撃ニュースですね。

 3〜4年前にgmarchも滅多に出ない近所の公立校から東大が出た時は驚きました。

ぐろっするさんへ

>3〜4年前にgmarchも滅多に出ない近所の公立校から東大が出た時は驚きました。

こういうことって、まれにありますよね。
あれは、偶然できる子が何らかの理由で入学したのか、何かの化学変化で突然勉強できるようになったのか、はたまた別の理由があるのか。

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ジャーナル・ギャップ

Author:ジャーナル・ギャップ
酒と野球とミステリーをこよなく愛するが、なんの因果か中学受験についていろいろ書いていくことに。

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