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『星野君の二塁打』、再び~関東軍の打つ二塁打は右翼線?左翼線?

今回は以前話題にした『大学の問題 問題の大学』(佐藤優 竹内洋)における、大学とはまったく関係ない話をちょっとしようと思います。
というのもこの本には、これまた以前記事にした道徳の「星野君の二塁打」が議論の的になっているから。

<参考記事>
『アカデミズム人、就職を気にする』2020/08/02
『道徳『星野君の二塁打』はこう教えようか1~サイン無視の代償』2018/05/01
『道徳『星野君の二塁打』はこう教えようか2~誰のための話だと思ってた?』2018/05/02

そこで「へぇ」と思ったのは、この「星野君の二塁打」というお話、佐藤優氏によると「「関東軍のようになったらいけないんだ」という文脈で書かれたのではないか」とのこと。
発表年が1947年ということを考えると、そういうことも考えられる。
佐藤氏はこう続ける。

関東軍の一部将校は独断専行によって組織全体のルールを破り、これが日本をおかしくした。
だから「二塁打を打つ」というのは、関東軍参謀で暴走した服部卓四郎や辻政信のような人物のアナロジーで、こういうことはいけませんよという話だったと思うんです。


なるほど、こういう見方はなかった。

辻政信
※関東軍といえば辻政信。毀誉褒貶ある人物である。戦後議員になったが、北方領土を返還させていたら、英雄になったろうと思う。

さてアカデミズム人たる佐藤優氏は『アカデミズム人、就職を気にする』において、学生が知識人として自立することよりも「いいところに就職できる」ことを真っ先に考える常識人ぶりを発揮しましたが、今回は当事者ではないので理想論を語ってくれています。

佐藤 (前略)「星野君の二塁打」は、テキストがあっても、そこから変形すればいくらでも広がる話です。(後略)
竹内 道徳の教材は、そこからみんなで、そして自分で考えるためにあるのではないんですか。
佐藤 でも、現場の教師たちはそういうふうに考えないんですよ。これは文科省が価値観を押し付けてきている。管理教育だ、けしからんと。テキストの読み方に対して、教師が弱くなっているなと、話を聞いていて思ったんです。


佐藤優君、竹内洋君、君たちは学校教育法の基本的なところをもう一遍、おさらいした方が良いぞ。
何故『星野君の二塁打』が問題になっているか、わかっていないようだから。

佐藤君や竹内君が勉強していたころの道徳なら、いくらでも変形すればよかった。
でもね、いまや道徳は教科であり、文科省から「ねらい」というのがしっかり設定されている。
それは「よりよい学校生活,集団生活の充実」だ。

様々な学校もこの指針に従った指導案を作成している。
そこでの主題の設定理由は「規則を守る、義務を果たす心を育てる」だ。

どれだけ変形させようと、着地点が決められている。だから問題なんだ。
算数や国語ではなく「道徳」だからな。

ちなみに「関東軍のようになったらいけないんだ」というのは、おかしな話だ。
その関東軍の無謀さを許した陸軍、その陸軍を統括できなかった政府。
関東軍よりも、お前さんたちが一番いけないんだよ。
(まあ、そんな政府を選んだ国民が一番いけないと言われたら、申し開きの難しいところだが)

8月は我々日本人にとって、戦争を考えるのにふさわしいひと月でもある。

※このブログは誰でもコメントできます。(当たり前か)
さらに言えば、本文と関係ないコメントでもOKです。
最近子供たちが口をきいてくれない。飼い犬さえそっぽを向いている……、なんていうのでもアリです。

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コメント

『辻君の第二次世界大戦』

余談ですが(余談というか本論か)、
もし「関東軍のようになったらいけないんだ」ということを教えたいのならば、
『星野君の二塁打』を持ち出すのではなく、むしろストレートに関東軍の振る舞いをそのまま教材として用いたほうが学びが深まるような気がしなくもないですが、色々と難しいのでしょうかね。

No title

佐藤優君は民間英語のことでも、
すっとぼけたこと言ってましたね

困ったもんです

北方領土専門家でしょうが
教育専門家ではない

ここ数年、大学で教鞭とってるだけの
幼小中高教育の実践経験のないお方かと


暑いですねー

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ジャーナル・ギャップ

Author:ジャーナル・ギャップ
酒と野球とミステリーをこよなく愛するが、なんの因果か中学受験についていろいろ書いていくことに。

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