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ドラマ『鍵のかかった部屋』~シンプルなものは美しい

コロナ禍でドラマの収録ができないらしく、過去のドラマをリバイバルで放送している。
で、今回はその話題。

『鍵のかかった部屋』(フジテレビ)が再放送されていたので毎週楽しみに見た。
主演は大野智。他に戸田恵梨香、佐藤浩市。
再放送のたびに見ているので、だいたい頭に入っている。ああ、そうそう、この後にこうなるんだ、なんて思いながら見た。

貴志祐介の原作(傑作)も読んでいたのだが、こうしたドラマには珍しく脚本がとてもよく出来ていて、ガッカリするようなエピソードはひとつもなかった。
それどころか原作にはない弁護士・芹沢豪(演・佐藤浩市)を出したことで、コメディとしての味が深まり、出色の出来になっている。

芹沢豪と青砥純子

振り返ってみると、やはり第1回が一番面白かったかな。
これは反転するロジックがピタリと決まっていて、1回目にして俺の心はギュッと掴まれてしまった。


*****ここからネタバレ*****

犯人は社長を殺し、トリックを使って現場を密室にして自殺に偽装する。
(そのトリックに関してはややこしいので省略します)
そして遺言書を偽造し、過去の融資に感謝した云々で自分に多額の金が入るようにする。
役員は自殺と遺言書に疑問を感じ、企業法務弁護士の芹沢に依頼する。
遺言書で金の入る犯人は「かつて会社が厳しい時に特別に融資したから」と話すが、役員はそんな融資の話を聞いたことがないと難じる。
しかし犯人は「これは私と社長しか知らない話だから、皆さんが知らなくても仕方がない」。
これでは追及しようにも追及できない。

芹沢は終始、面倒くさいので自殺でケリをつけようとする。
しかし部下の青砥純子(戸田恵梨香)は食い下がり、ついに榎本径(大野智)の明敏な推理によって密室の謎は解明される。
これで一件落着かと思いきや、
犯人「それは他殺ということがわかっただけで、自分が犯人だという証明にはならない」
榎本「ええ、そうです。私は密室の謎を解いただけです。犯人が誰かということには興味がありません」

あっけにとられる青砥と役員。高笑いをする犯人。
しかし揚々と部屋を出ようとする犯人の前に立ちはだかる芹沢。
この時の芹沢(佐藤浩市)がカッコいい。それまでさんざんダメっぷりを見せているだけに、一気に引き立つ。
「どけっ」と一喝する犯人に「どけなくなっちゃったんですよ」と芹沢。

「他殺となると遺言書は犯人が書いたもの、ということになります。その遺言書に、社長とあなたしか知らないことが書かれていたんですから……弁護士として、どけなくなっちゃいました」

*****ネタバレ終了*****


シンプルなものは美しい。
特にロジックにおいては。

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コメント

名セリフ

JGさんとは志向が似ているのでしょうか?
私も当初の放送から好んで見ていました。
佐藤浩一の「今言えよ、直ぐ言えよ、ここで言えよ」のフレーズがツボでした。

トリックもTVドラマとしてはよく出来ていると思いますね。

今言えよ、直ぐ言えよ、ここで

クライバーさんも好きでしたか。
「今言えよ、直ぐ言えよ、ここで言えよ」の台詞も、最後の少し手前でカットアウトされるのがお洒落な演出でした。

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ジャーナル・ギャップ

Author:ジャーナル・ギャップ
酒と野球とミステリーをこよなく愛するが、なんの因果か中学受験についていろいろ書いていくことに。

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