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大学受験と主体性評価2~高校生に予定調和的な嘘を吐かせる改革

今回は「大学受験と主体性評価1~大学受験でも内申書かよ」(2020/07/03)の続き。

主体性を評価することの難しさはどんなところにあるだろうか?
というか、主体性なんて評価できるのか?

主体性とは自分の意志で何かをやることなので、例えば誰かに「ボランティアをやりなよ」と言われてやったボランティアは主体性の証明にはならないし、また、「資格とったほうがいいよ」と言われてとった資格は、同じように主体性を意味しない。

「これは誰に言われてやったわけではなく、自分の意志でやったものだ」を相手に伝えるのは難しい……

いや、これは嘘である。
自分の意志でやったことを相手に伝えるのは、決して難しいことではない。←突然の前言撤回

たとえば毎週のように釣りに出かける奴がいたとしよう。
先週は多摩の渓流、今週は那須の山間にでかける、そんな奴だ。
車は山道を走破できるシエラを乗り廻し、釣り具にも相当なカネをつぎ込んでいる。
釣り仲間とのショットをインスタに毎度毎度上げている。

ところで、もしそいつが「これは自分の意志でやってるんじゃなくて、家族に言われて渋々やってるんだ」と言ったら、皆さんは信用するだろうか?
信用できるわけない。
絶対好きでやってるに決まってる。
つまり、主体的にやっていることを、周囲に理解させてるわけだ。

実は我々は結構多くのことを「主体的に」やっている。
風呂上がりに冷たいビールを飲んで「クーッ」と唸るのも、「本当は飲みたくないんだが、やった方が体に良いと聞いたんで、嫌々やってるんだ」という奴はいない。
いても信じられるわけない。

高校生だって「主体的に」やっていることはたくさんある。ラブライブのオタ芸をマスターするのも、マリオカートでレースするのも、誰に言われてやってるわけじゃない。
好きでやっているのだ。主体的にやっているのだ。

オタ芸
※wikiに掲載されていたオタ芸のワンシーン。年配の人に言わせると「竹の子族みたいなもの」らしい。
竹の子族……

よくよく考えてみれば、オタ芸をマスターするのは文科省の言う「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」にピッタリなのではないか。
そのゲームなりアニメなり歌なりが好きだという一点だけで集まった、老若男女(いや、女は少ないか)が協働して学び成果を出す。

さて、ここまでに出てきた釣りやビールやオタ芸に共通するのは、すべて大学入試に関係ない、ということである。
当たり前か。
いや、当たり前なのが重要なのである。

つまるところ、誰かに評価されることを前提とした場合(つまり入試の評点につながるような場合)、主体性は一気に後退する。
もちろん大学入試に関係あろうがあるまいが、好きな奴はやるだろうが、大学入試に有利となれば好きじゃない奴も「好きなふり」をしてやり始めるのだ。
そして「自らの意志で」などという嘘の証言をする。

そうした予定調和的な嘘を高校生に吐かせることが、文科省のやりたい大学入試改革なのだろう。
この話まだまだ続く。

<参考記事>
「大学受験と主体性評価1~大学受験でも内申書かよ」2020/07/03


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コメント

No title

 たまには気分転換で 推薦の擁護をしてみるか・・

 世の中には「本番に弱い」という人が確実に存在する。  例えばオラだ。  本番に弱い。 極度に緊張するのだ。 

 (今日 とある競技ゴルフに出た。 所属クラブのクラブ選手権だ。勝てるとは思っていない。そんな力はない。でも予選通過はあるかも? 準備万端 調子もいいと思ったら 一番ホールで10叩いて死んだ。 一番ホールをすんなり出られないのだ。 結局一番ホールの借金がたたって予選通過ならず。 

 二日くらい前から緊張していた。昨晩は寝られなかった こんな奴はだめ、という典型だ)

 受験でも本番に弱い人はいる。 「本番に強いのも学力のうちだ」という意見も納得はできる。社会に出れば「本番一発勝負」なんてそこら中にある。

 しかし弱い人からすると 「救済して」となる。

 推薦は救済になっている? のか?

何とかしないと何ともならない

推薦の問題といえば、やっぱりこれ。

生徒を取るための選抜の基準がおかしなことになっているため、入ってからの学力ギャップが起きている。

まあ象徴的なのは理科大でしょうけど、それ以外の多くの学校で、似たようなことは起きているでしょう。

ハルビンカフェさんが書くように単に一発勝負に弱いというだけなら、学力ギャップは起きないはずですから、実情は「本番に弱い人を救済している」というワケではなさそうです。

「大学なんざ入っちまえば、後は何とかなる」という開き直りで入るのはOKですが、そのためには「何とかする」必要があるのですが、どうも「何とかなる」というところで止まっている連中が多いのでしょう。

というか、人間なんてそんなものか。

No title

留年費用も安くないわけで、学力ギャップのある子を積極的に受け入れるのは、定員厳格化で人数が減り、お一人から何度も取ろうとしている・・など妄想逞しくなってしまいます。

理科大はヨコに置いておくとしても、他大学も含め最近、私学の留年率(特に理系)高くないですか?!

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ジャーナル・ギャップ

Author:ジャーナル・ギャップ
酒と野球とミステリーをこよなく愛するが、なんの因果か中学受験についていろいろ書いていくことに。

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