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現役合格は学校の力なのか?

高校の大学の合格実績を比較する際に、現役だけ抽出して比較することがある。
ある任意の年度の入口と出口を比較するときなどは、この方法をとる。
例えば中高一貫校の場合、2014年で中学入学した生徒がどこの大学に入ったかを調べるのは2020年の現役実績である。

そうでないなら、俺はたいてい現浪を一括りにして比較する。
これは主に俺が浪人に対してあまりマイナスのイメージがないからだと思う。
行きたい大学があって、でも現役で行けなかったから一浪する。
それは日本の大学受験事情からすると、俺には当たり前だと思うし、仮に当たり前迄いかないとしても、決しておかしな行動だとは思えない。

蛍雪時代2010
川村淳平渾身のイラストが表紙になった「蛍雪時代」2010年3月臨時増刊号。

しかし中にはどうしても「現役のみ」に拘る人もいる。
これはこれでいい。
何を優先して、何にマイナスイメージを持つかは自由だ。

子供にはどうしても現役で大学に行って欲しい人は、現役大学進学率の高い学校を選ぶべきだと思う。
「浪人したってOK、OK」という学校では、周りに流されちゃうからな。

そもそもどうしても浪人はNGだというなら、付属に行かせればいい。
尤も付属の中には早大学院や慶應義塾のように進級の厳しい学校もあるから、浪人はしなかったけど留年した、なんてことになるかもしれないが。

ところがここに謎の一派がある。
現役のみに拘るが、拘る理由が「現役合格は学校の指導力の賜物だが、浪人合格は予備校の力だから、学校の大学合格力を見るには現役合格で見るべき」。

はじめは冗談で書いているのかと思ったが、どうやら本気らしい。
しかし「現役合格は学校の力」で「浪人合格は予備校の力」というなら、その前提条件として「現役生は全員予備校に通わない」且つ「浪人生は全員予備校に通う」ということが必要だ。
もっというなら「浪人生は学校での勉強をいったん全部忘れたのち、全員予備校に通う」ということになろうが、慈悲の心では人後に落ちない俺だから、その点は容赦してあげよう。

しかし「現役生は全員予備校に通わない」且つ「浪人生は全員予備校に通う」という条件は譲れない。
もちろん俺だって人間だ。それもどちらかと言えば「心優しいサイド」に立っている。
であるからして、いま書いた条件の中の「全員」というところは「ほぼ全員」ぐらいの感覚でもOKを出してあげよう。

で、「週刊朝日」と「サンデー毎日」の東大合格者アンケートの“通っていた塾・予備校”の項目を見て欲しい。
いや、見なくてもいい。
どうせ結果は見えているから。

つまり、現役だろうと浪人だろうと、東大に受かっている連中はガンガン予備校や塾に通っている、ということだ。
「現役合格は学校の力」という寝言が許されるのは、首都圏においては開智高校(全10名合格のうち塾なし6名確認)と淑徳高校(全3名のうち塾なし2名)だけだ。
それ以外は開成も駒東も武蔵も麻布も渋幕も栄光も聖光も渋渋も海城も桜蔭も女子学院も雙葉も豊島岡も浅野も県千葉も浦高も横浜翠嵐も湘南も日比谷も西も、バリバリの通塾軍団である。

もちろんこれは東大の話だから、早慶や東工大や一橋はわからない。
でも不思議なことに、学校の大学合格実績比較をして「現役合格は学校の指導力の賜物だが、浪人合格は予備校の力だから、学校の大学合格力を見るには現役合格で見るべき」という人の俎上に乗るのは、東大の合格実績である。(まあ、不思議じゃないけど)

現役生も浪人生も、大学合格の手柄は学校と塾の双方にあってもいいではないか。
もし「いや、どちらかじゃないと許せない」と言うなら、どちらでもない、その生徒の手柄でいいじゃないか。
いずれにしても、「現役合格は学校の力」「浪人合格は予備校の力」という言葉はもっともらしい響きを持っているが、現実には意味がない。

<参考記事>
「塾なし東大合格のリアル」2020/06/16


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コメント

浪人も出身校の力ですよ

 首都圏の三大浪人東大勢力といえば、開成と麻布と県立浦和ですが、彼らが一浪して東大に合格できるのは、予備校の指導力がいいわけでなく、出身校のプライドです。生身の先輩や同級生が東大に合格しているわけですから、負けるわけにはいきません。(この意気込みがボーダー層で生きてくる)
 東進の林先生(例)の授業が素晴らしいから東大に合格するのではなく、東大に合格するために、現役、予備校を通して、林先生を利用しているわけです。そのあたりの哲学を生徒に理解させないと、中堅私立校は、偏差値を上げて、優秀な講師陣をそろえても、なかなか数が伸びてきません。

ハンス・オフト

>そのあたりの哲学を生徒に理解させないと、中堅私立校は、偏差値を上げて、優秀な講師陣をそろえても、なかなか数が伸びてきません。

ハンス・オフトがサッカー日本代表の監督になったときに、選手の前で「日本をW杯に出すために監督になった」と言ったら、多くの選手は「キョトンとしていた」らしい。
いつの時代も、そういうものだね。

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ジャーナル・ギャップ

Author:ジャーナル・ギャップ
酒と野球とミステリーをこよなく愛するが、なんの因果か中学受験についていろいろ書いていくことに。

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