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つまらない受験、つまらない人生

以前このブログで、武蔵を「私立中学の象徴」と称した。
「クイズ:どこの私立中学のエピソードでしょうか?」(2018/03/20)

ただそれとは別に俺は、「私立でしかできない教育」の最も一般化されたアイコンは、郁文館にあると思っている。
今の郁文館はどうだか知らないが、30年も40年も前の郁文館は、「みんながやってることだから君もやらなくてはいけない」という公教育的な集団になじめない男子、でもさほど勉強できない男子の受け皿として機能していた。

この郁文館のイメージの多くを、俺は先輩から聞いた話に頼っている。
先輩の小学生の時は、本人曰く「自分と世界の距離感が分からなかった」という状態だったらしい。
なんでみんなと登校しなくちゃいけないのか、なんでみんなと勉強しなくちゃいけないのか、なんでみんなと食事をしなくちゃいけないのか、なんでみんなと(以下略
別に一匹狼というわけでも、反逆児というわけでもなく、純粋にいろいろな疑問がわき出て、自分と世界との間に薄い膜が漂っているよう。
そんなわけで勉強はダメ、運動もダメ、なにをやってもとろい、友達もできない、それどころかいじめられることも多かったそうな。

郁文館に進学したのは、親情報かららしい。
地元の塾の先生が優しい先生で、そこそこ勉強できるようになって受験したら、うまいこと受かった。
行ってみると「みんながやるからやりなさい」なんていうことは殆どなく、「何しようか」からいろいろなことが始まるような学校だったらしい。

落雲館
※『吾輩は猫である』の1シーン。奥の少年たちは落雲館中学の生徒たち。
この落雲館中のモデルが郁文館中学らしい。古い学校だねえ。
(手前にいる猫が日本で一番有名な猫です。名前は…忘れたなあ)

俺はこの話を聞いて、これこそが「私立・中高一貫・教育」の髄なんじゃないか、と思ったわけだ。
東大や国医に進学するのもいいけど、こういう教育がいかにも私立っぽくて、俺は好きだな。

東大の合格者数なんて、私立の教育からしたらおまけだ。
そもそもその昔は日比谷がずっと最強だったんだから、「私立だから東大合格力が凄い」なんて言うのは、まだまだ憚れる。
所詮できる連中が開成や灘や筑駒に集まってるのが真相だ。

私立の真髄は、公教育でできない教育を行うことにある。
それがわからないで入り口と出口ばっかり見てると、損得どころじゃない、つまらない受験、つまらない人生になるかもしれんぜ。

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コメント

複雑な生き物

>東大の合格者数なんて、私立の教育からしたらおまけだ。

などと書いておきながら、毎年のように東大祭りを開催する。
嗚呼、人間とは、いかに複雑な生き物か。

>などと書いておきながら、毎年のように東大祭りを開催する。

でも、たいていの人はランキング好きですよね。
野球だったり、将棋だったり、アイドルだったり、あれこれ評論したくなるジャンルが人によって違うだけで。
イタリア人のおじさんがバールで話す話題はだいたい政治かサッカーの2択だと言ってましたね。
ランキングも一種の争いですから、弱い闘争本能の現われ=疑似戦争といえるのかもしれません。オリンピックやワールドカップなどと同様に。

郁文館と聞くと、ドイツ語辞書の出版で有名な郁文堂を連想しますが、無関係ですかね?OBにアインシュタイン、インフェルトの『物理学はいかに創られたか』を訳された石原純さんがいることを知りました。

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ジャーナル・ギャップ

Author:ジャーナル・ギャップ
酒と野球とミステリーをこよなく愛するが、なんの因果か中学受験についていろいろ書いていくことに。

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