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どんどんヒイキすればいいのに

モンスターペアレントという言葉はまだ現役なのだろうか。まあ、まだ現役なんだろうな。

何の話かと言えば、仕事の話である。
私立学校でお仕事させていただく時、ちょっと打ち解けてきた頃合いにこんな質問をする。
「厄介な保護者の方っていませんか?」
まあ、モンスターペアレント、つまりモンペのことを訊くわけさ。
そうすると訊かれた教員は、ああ、いるいる、と話に乗ってくる。
どんな人?
いやあ、大変なんですよ、たとえば……

まあいくつか実例を聞いた後で、おもむろにこう言うわけですよ。
「それ、全部、正当な要求ですね」

そりゃあ俺だって、全部が全部正当だなんて言う気はない。
お金を払わない、委員長にしろ(委員長にさせるな)、いじめを無かったことにしろ(有ったことにしろ)、担任を変えろ(担任を変えるな)、カリキュラムを変えろ、体育をやめて英語にしろ、……こういうのはダメだね。
もしこれを読むキミがこういう要求を学校に突き付けたなら、キミはモンスターペアレントの権利を有しているぜ。

しかし「うちの子をヒイキしろ」なんていうのは、真っ当な要求だ。
ヒイキしてやればいいんだ。
え?他の子の親からクレームがくるって?
みんなヒイキしてやればいいじゃないか。そもそも今の教育の現場は、ヒイキが足らないんだ。
いや、こう言うべきか。
「あなたのお子さんをヒイキしてますよ」アピールが足りないんだ。

学校というのは教育のサービス業である。
昔は俺がこう言うと、古手の教師から明らかなムスッとした空気が流れたが、今はみんな「そうだそうだ」と頷いたりする。
こうしたお題目は浸透してきたわけだが、中身はまだまだお寒い限り(俺が仕事したところだけかもしれないけど)。

サービスというのは、商品が目に見えないし手にも触れられない。だから、僅かに見え隠れするスペック(数字)に頼って判断してしまいがちだ。
たとえば大学合格実績の数字で、その学校の教育サービスを測るように。
しかし極論すれば、そんなものは塾や予備校に任せておけばいい。
それよりサービスの受け手からすれば、「自分の子どもは学校に愛されている」という感触に勝るものはない。
その感触を呼び起こさせるのが「ヒイキ」であるなら、どんどん使えばいいのだ。
がんがんヒイキして、「あなたのお子さんをヒイキしてますよ」アピールを全員にして、そこで初めてスタートラインに立てる。
教育サービスで生徒を増やしたいというなら、それぐらい対親対生徒に関しては厳しく考えたほうがいい。


ここから先は、モンスターペアレントに苦しんでいる現場の先生へ。

モンペで自殺した教員もたくさんいる。
心や体を壊した教員なんて、おそらく数を把握できないぐらいいるだろう。
しかしそれでも俺は、学校はまだまだ甘い、と思う。
普通の企業は、モンペぐらいのクレーマーは通常運転だ。
(俺の会社も金を払ってくれない取引先に苦しんでいる。チクショー、訴えてやる!)

だからモンスターペアレントがいてもいい、と言うわけではない。
いじめの時にも書いたが、いざとなったら自分で自分を苦しめる前に訴訟でも逃亡でもすればいいのだ。
誰かの迷惑なんて考える必要はない。
教頭や校長や同僚が困ったっていいじゃないか。
「あなたのお子さんをヒイキしてますよ」アピールが間に合わないような状況なら、自分の身を守るのが先決だよ。

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コメント

昨晩寝るときに、ソクラテスやアリストテレスと弁論術のことが書かれた本を読みました。

学校の先生は弁論術が求められる仕事のように思いますが、最も多く接する相手が子どもだったり、授業が対話型でなく一方向型だったりすると、大人(ことにモンスターペアレント)に応対できる弁論術を身につける機会が限られてしまう面もあるのかもしれませんね。

それにしても、ソクラテスはいつも色んな人に議論をふっかけて回ったようですが、これってモンスターペアレントならぬ「モンスター市民」ですね。
(ソクラテスさん、ごめん)

ソ、ソ、ソクラテスか、プラトンか

>それにしても、ソクラテスはいつも色んな人に議論をふっかけて回ったようですが、これってモンスターペアレントならぬ「モンスター市民」ですね。

あいつが俺の近くにいたら、2、3回はひっぱたいてると思うよ。

No title

>昨晩寝るときに、ソクラテスやアリストテレスと弁論術のことが書かれた本を読みました。


 なるほど。それはよく眠れそうだ・・・

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ジャーナル・ギャップ

Author:ジャーナル・ギャップ
酒と野球とミステリーをこよなく愛するが、なんの因果か中学受験についていろいろ書いていくことに。

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