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角田喜久雄が激高し、乱歩がビールをかけられた夜

角田喜久雄という作家を知っていたら、あなたはかなりのミステリー通です。
中学受験的世界観に直すと御三家に入れるレベルです。

何故いきなり角田喜久雄なのかと言えば、先日ミステリー仲間とお喋りしていたら、角田喜久雄のこんなゴシップを聞いたからだ。

角田喜久雄が激高し、乱歩がビールをかけられた夜。

さて角田喜久雄に関して簡単なブリーフィング。
角田喜久雄は戦前・戦後に活躍した伝奇作家・ミステリー作家。代表作は「高木家の惨劇」。
温厚な性格で酒席でもいつもニコニコしていたとのこと。あやかりたい。

その角田氏が激高して乱歩にビールをかけた・・・?
真相は、酒席で酔っ払ったホステスが無礼なことをしたので、さすがの角田が怒って女を平手打ち。
女は悔しい悔しいと叫びながら乱歩にビールをかけて大泣き。
同席していた乱歩は「キミは悪くないよ悪くないよ、もう泣くのはおよし」とあやしたそうな。
このとき角田喜久雄49歳、江戸川乱歩61歳。それにしてもこのときの乱歩、さぞや弱ったろうな。

というわけでこのゴシップのタイトル「角田喜久雄が激高し、乱歩がビールをかけられた夜」はミスリードですなあ。

さて角田喜久雄と言えばもう一つエピソードがある。
今度は彼の死後、主役は喜国雅彦。
喜国雅彦を知っているならあなたはかなりの漫画通・あるいは古書通です。サピックス偏差値55くらいかな。

さて古書マニアの喜国氏、あるとき角田喜久雄の自筆原稿『底無沼』を手に入れた。
鉛筆自筆草稿17枚、お値段6万円。高いのか安いのか分からんが、俺なら絶対買わない。

でもこういうのは需要と供給の純粋な問題だからな。もっとも本物なら、というお話。
どうもいろいろと調査すると、本物の可能性がどんどん下がってくる。
喜国氏、がっかりの巻、といいたいところだが、喜国氏、ある瞬間に開眼する。
読んでみたら、これが素晴らしく面白い。そうなのだ、『底無沼』は傑作なのである。
喜国雅彦の感想をここに書き写そう。

静かな始まり、徐々に高まっていくサスペンス、緊張の糸が切れる恐怖の瞬間、終盤への叩き込み、あっと驚くラスト、そして印象的な引き際。

え?喜国雅彦は何に開眼したかって?
そりゃあ本は集めるだけでなく、読むってことも出来る、ということさ。
というわけで、俺も段ボールにしまってある本をほどいて読まないと。やれやれ。

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コメント

角田喜久雄先生のことは全く知りませんが、喜国雅彦先生の『傷だらけの天使たち』からは若い頃に多くを学びました。世界がいかに倒錯しているかと、倒錯した世界の滋味深さとを。(よい子は読まないほうがよい)

喜国先生が古書収集家で、本格ミステリ作家クラブや日本推理作家協会の会員であるとは初耳でした。

No title

>角田喜久雄という作家を知っていたら、あなたはかなりのミステリー通です。
中学受験的世界観に直すと御三家に入れるレベルです。

知りませんでした。

 とすると・・ オラは渋幕落ちて 市川のレベルかニャ? それとも芝柏だろうか・・・

『コージ苑』も好きだった

漫画通偏差値55の私も喜国氏の『傷だらけの天使たち』は愛読しておりました。何年か前ジョギングに打ち込んでいた頃、『キクニの旅ラン』という本を図書館で見つけ、昔の同級生に街で偶然再会したような気分になりました。宗谷岬ランの章では、自分もバスがなくなってあのあたりを歩いたことがあるので感情移入して爆笑してしまいました。喜国氏、最近はギャグ漫画の枠を越えた仕事を色々されているようですね。






傷だらけの天使たち、は名作。
砂漠をさまよう男2人の前に、奇跡的にジュースの自販機が現れて、小銭を数えたら600円も有る!と狂気乱舞してたら、その近くに別の物の自販機を見つけてしまい・・・
でも、単行本3巻の後半は、ネタ切れなのかちょっとキレが無くなってた感じ。ギャグ漫画はどうしてもネタ切れが宿命。マージャン漫画王、マージャン漫画大王は、麻雀知ってればお勧め。漫画のパロディも多いから(ガラスの多面、とか)、漫画も色々知ってた方が楽しめるけど。
ドラゴンボールも最初の頃はDr.スランプ的なギャグが入ってたし、キン肉マンは完全にギャグ漫画だったけど、途中から完全に格闘友情モノになった。いがらしみきおも、ぼのぼのから入った女子がネ暗トピア見たらひっくり返ると思う。多分。
途中で作風変わるケースは、人気連載で途中で止めさせてくれなくて、やむなくそういう展開になるんだろうね。

水分の摂取が求められる局面でなおも水分を搾り出そうとする男の悲哀。

> なおも水分を搾り出そうとする

そうだよね。自販機が本の自販機で、つい「フランダースの犬」を買って読んじゃって、ラストシーンで2人で号泣してますます水分抜けて、ネロとパトラッシュのところへ旅立ってしまう、というちょっと哀しいオチだったよね。

>ネロとパトラッシュのところへ旅立ってしまう、というちょっと哀しいオチだったよね。

あぁそうでしたそうでした。思い出しました。
「ネロ」と「パトラッシュ」でした。
「デラ」と「べっぴ◯」と間違えていました。

「す◯ぴん」「べ◯ぴん」「でらべ◯ぴん」と、都会の水を得た甘え◯坊少年は、あたかも出世魚のように成長して行ったのだった・・・(続く)

甘えん坊将軍さん&つけ麺さん

この流れるようなダイレクトパス。
君たち、ホントはそのてのプロだろ?!

> 君たち、ホントはそのてのプロだろ?!

はい。2人はエ◯ュというところで、あく◯んになり、安住の地を求めてネット砂漠を彷徨っておりました。
すると奇跡的にオアシスにたどり着きましたが、それは蜃気楼で、エ◯ュをあ◯きんになった無法者ばかりが巣食う、ネット砂漠の極北の地だったのです(続く)

No title

>「す◯ぴん」「べ◯ぴん」「でらべ◯ぴん」

何年か前にNHKで坂本龍一さんが「スコラ」という音楽番組をやっていたのですが、「そのタイトルやめて。。気恥ずかしくなるから」と思ったお父さんは多いはず。
おそらく陸宿借さんもそうでしょう。
昔は買うのも立ち読みするのも恥ずかしかった。

ヤドカリ少年のおもひで

あくきんさん、どうも。

スコラはちょっと高級誌というか大人向けの感覚でしたね。中高時代にはちょっと敷居が高かったように感じておりました。

あくきんさんや甘えん坊さんやつけ麺さんと違って、品行方正で純情な中高生であったヤドカリ少年は、「ボム」「ダンク」などを毎月買い求めるのをささやかな楽しみにしておりました。値段も安いし、持ち運びや隠すのに都合の良いコンパクトサイズ。

しかし、今の中高生は全部スマホで事足りてしまうのでしょうなあ。

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ジャーナル・ギャップ

Author:ジャーナル・ギャップ
酒と野球とミステリーをこよなく愛するが、なんの因果か中学受験についていろいろ書いていくことに。

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