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欲深い人間の耳元に囁く、という仕事

「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」(新井 紀子:東洋経済新報社)は大変面白い本で、多くのことで考えさせられた。「考えさせられた」というより、「驚かされた」という方が実情に近いほど。

たとえば何に驚いたかと言えば、「自動翻訳はムリムリ~」ということ。AIでは意味が分からないんだって。
これはがっかりした。俺の頭の中には、イヤホンみたいな自動翻訳機械をつけて、それがすべて翻訳してくれるという未来予想図が展開していたのだが、どうやらそれはお門違いらしい。トホホ。

また、AIは意味が分からないから国語の問題を解くのはお手上げなのだが、センター入試の国語において、傍線のついた文章の前後5行ほどに書いてある単語を調べ上げ、一番頻出する選択肢を選ぶようにしたら、正解率が50%まで上がったということ。
受験生諸君。どれ選んでいいかわからない!という場合は、機械的にやってみると正答率が上がるぞ。

さて、ここからが本題。
AIマシンの東ロボ君は、マーチ合格ぐらいの実力がある。マーチということは同世代のトップ10%程度の学力を持っている、ということになる。
で、著者の新井氏(東ロボ君のオッカサン)は、それぐらいの学力層はAIに仕事を奪われるゾ、と宣う。
その傍証として新井氏は、オックスフォード大の研究チームが予測したコンピュータ(AI)化によって「10年から20年後に残る仕事、なくなる仕事」というのを挙げている。

ちなみになくなる仕事は次の通り。
1.電話販売員(テレマーケター)
2.不動産登記の審査・調査
3.手縫いの仕立て屋
4.コンピュータを使ったデータの収集・加工・分析
5.保険業者
6.時計修理工
7.貨物取扱人
8.税務申告代理者
9.フィルム写真の現像技術者
10.銀行の新規口座開設担当者

2013年の発表らしいが、「手縫いの仕立て屋」とか「時計修理工」や「フィルム写真の現像技術者」なんて、AIの台頭と関係あるのかな?

というか、こういうAIが仕事を奪うという話になるたびに、俺にはちょっと戸惑いが生じる。
なんとなくだが、結局仕事は減らないんじゃないのかな?と、いささか楽観的なことを考える。
何故なら人間は、というか、人間という動物は、「仕事」を作り出す天才だから。

たとえばコンサルなんて仕事、かつてはなかった。いや、正確に言えばコンサルという仕事はあった。
シャーロック・ホームズは私立探偵ではなく諮問探偵(コンサルティング・ディテクティブ)だし、王に進言するのもコンサルとしての仕事だ。
しかしコンサルという市場はなかった。
ところが、今ではそれがひとつの市場を作り上げ、成長している。

コンサルなんてなくても、社会は回るし資本主義は(おそらく共産主義だって)ちゃんと動く。
では何故、コンサルはこんな大きな顔をしてるのか?

答えは簡単。
コンサルは人間の欲求の近いところで仕事をしているからだ。たとえば人は常に誰かに勝ちたい、出し抜きたいという欲求がある。そしてその欲求にコンサルは寄り添って巨大化してきた。

AIが普及する上での仮想敵は「人間」だ。人間よりも廉価で正確であることが求められる。
これは鉄道が普及する上での仮想敵が馬車であったことと同じだ。

しかしやがてAIの敵は「他のAI」になる。
つまり、AIを使って成長した山田商事の敵は、同じくAIを使って成長した佐藤商事になる、ということだ。
それにはどうしたらいいのか?
そこにコンサルの付け入る隙がある。(なんか書き方が嫌だな

いや、コンサルですらAIが取って代わる、という意見もあるだろう。無論そのうち取って代わるだろう。
しかし人間の欲望は、勝ちたい、だけではない。
富は蓄積は人間の本当の欲求ではない。集めた富の破壊こそが人間の欲望だ。

つまりは、集めた金は使いたくなる、ということ。
ここにもコンサルはつけ入ってくる。(やっぱり嫌な書き方だな

まあ、コンサルという言葉が俺には馴染み深いから使ったけれど、欲深い人間の耳元に囁く職業、とでも言おうか。
これほど世界に富がなければ、存在しなかった職業だ。
AIが席巻するころにその職業はどんな名前で呼ばれるかわからないが、おそらく仕事の内容は「AIに何をやらせるかを決める仕事」ということになろう。
それすらAIがやるって?
そうしたら「そのAI」に何をやらせるかを決める仕事を、誰かが誰かに囁くようになる。

仕事の自己増殖は人間の十八番だ。

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コメント

耳元で囁きまくり

そんなこんなで今日も仕事だったわけですよ。
尤もほとんどは若い連中に任せて、会議室で野球見てたけど。

日常と祭りとコンサル

「日常」は放っておくと活力を失う。失われそうな活力を取り戻すためには、「日常」を壊さなければならない。もっとも、壊しすぎると「日常」そのものが失われてしまうから、限られた日に限られた範囲で「日常」からの逸脱を許容することとした。このような「日常」からの逸脱が「祭り」である。

貨幣が生まれ資本主義が発達した現代でも昔と変わらず、人には「日常」があり、人は「祭り」を必要とする。ここにおいて現代人は、「労働により貨幣を得ること」を「日常」とし、「そうして得た貨幣を費消すること」の中に「祭り」を見出した。

……というようなことを高校時代の国語で扱った本で読んだ記憶があります。

稼ぐことと費消することが共に人間の性(さが)ならば、その双方に付け入る、もといそのありようを指南するコンサルが世から消えることはあるまいか。

AI礼賛

でもねえ、俺、最近コンサルやるのがめんどくてめんどくて。
AIが代わってくれるなら、早く代わってくれ、というのが本心。

メタコンサル

「最近コンサルやるのがめんどくてめんどくて」って嘆くコンサルに付け入るコンサル(コンサルのコンサル)が、そのうち現れるかも。

むふふ。

コンサル・マトリョーシカ

>「最近コンサルやるのがめんどくてめんどくて」って嘆くコンサルに付け入るコンサル(コンサルのコンサル)が、そのうち現れるかも。

ナハハハハ、そういうのがいたら相談したいな。
でも、コンサルを始めたい人用のコンサルというのは存在する(真顔

応答セヨ、令和型自動翻訳機

>たとえば何に驚いたかと言えば、「自動翻訳はムリムリ~」ということ。AIでは意味が分からないんだって。

ところが昨夜池上さんの番組では、令和時代に実現すると言ってたなあ。
明日はどっちだ?!

No title

 今、仕事で NASAとesa のプレスリリース(ハッブル宇宙望遠鏡関係)を読みまくっているのですが、グーグルの機械翻訳は使えます。 とりあえず機械翻訳かければほぼ理解できる。あとは専門用語を調べればOK.
こういう科学関係の簡単な説明文が一番早いかもしれません。

No title

 ふと思い立って 「田舎者の母」という言葉をグーグル機械翻訳してみた。 この言葉だけだと母が田舎者なのか子供が田舎者なのかわからない。

 そしたら 発見があった

「田舎者の母」 → Countryside mother
 
 ふむ。 では
「田舎者の父」 → Countryman's father

 ゲゲゲゲゲゲげ

母と父で翻訳が違うぞ。
なぜだ??   

おそらく「父」もCIA

>母と父で翻訳が違うぞ。

それらのキーワードで検索したり翻訳機にかけたりすると、検索者の情報がCIAやペンタゴンに渡るとかわたらないとか。

No title

以前に書きましたが、会社でとある翻訳ソフトを導入し、ユーザーを限定して専門用語や言い回しを学習させています。私が管轄する業務に関しては相当な完成度で、最近はごく僅かな手直しで済むようになりました。AIの翻訳は使えない”という意見を述べる方は、そのソフトのレベルや分野にも因るのかも知れませんが、ちゃんと学習させていないだけなのでは、と思っています。生徒にちゃんと勉強教えもしないで、この生徒は出来が悪い、と嘆いているようなものです。

一方で、通訳は翻訳に比べて難しいと思います。翻訳は文章全てをインプットした状態から訳を開始できるのに対して、通訳は、これから話者が何を話すか分からない状態で訳す必要が有りますから。なので、私の知る業界でも屈指と言われる同時通訳の方は、話者が次に何を話すか、どういう反応をするかを予想し、話者の顔色まで見ながら通訳をしているそうです。

某お笑い界の重鎮がCMに出ている携帯型通訳機が有りますが、旅行の会話のような細切れの会話にはなんとか対応出来ても、ビジネスでの交渉事のような会話だと、お手上げでしょう。(私の思い込みだったら、どうぞご指摘下さい)

ハルビンカフェ様:
 コソコソ調べなくても・・・おそらく何処かでお会いしていると思いますよ(理科室ではありませんけどww)
 名前を聞いたら、あぅ(;゜0゜)と思うかもしれません(^^;
 何だか呼ばれた様な気がして出て来てしまいましたが・・・明日も仕事なので寝ますzzzzお顔とボディーで勝負しているので睡眠不足は大敵なのです。

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ジャーナル・ギャップ

Author:ジャーナル・ギャップ
酒と野球とミステリーをこよなく愛するが、なんの因果か中学受験についていろいろ書いていくことに。

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