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『悪魔の花嫁』~「午後の出会い」に出会えた幸せ

昨日の記事「いつも近くに漫画があった」(2019/04/10)のコメント欄で甘えん坊将軍さんが

>…少女漫画は全く触れたことのない世界なので、色々な話が聞けるのが楽しみです。人間の闇というか、怖い物語を希望っ!

と書いていましたので、ちょっと思い出したものを1つ。
(コメント欄でなく記事として書き込めちゃうところが、ブログ主の特権なのであった。ワハハハハ)

昨日の記事でも紹介したが、『悪魔の花嫁』(原作:池田悦子、作画:あしべゆうほ)の9巻(プリンセス・コミックス・デラックス版)に、「午後の出会い」というお話がある。
これを読んだとき「俺はなんと素晴らしい物語を読んだんだろう!」と感嘆した。

※ちなみに『悪魔の花嫁』は1話完結で、デイモスという悪魔と、デイモスが心惹かれている美奈子という女子校生が織りなす学園ドタバタコメディ、アンチヒューマンミステリである。

美奈子が公園で清楚なドレスを着た娘を見かけたところから、話は始まる。
美奈子は写真の被写体になってほしいと声をかけるが、少女は怖がって逃げてしまう。
その時に少女が落とした手帳から、美奈子はその住所に訪ねていくことにする。

その家(なかなかの邸宅)には若い男がいたが、男は美奈子に「この家にはお嬢さんなんかいない」と言う。
しかし美奈子が手帳を差し出すと、男はしばらく思案した後でこう言った。
「それはぼくの姉さんだ」
「え?……でもあの女の人はあなたよりもずっと若くて……」
男は美奈子に自分の姉さんの話をする。

ぼくがまだ小さい頃、姉さんは歳を取ることを恐れて、ジュリエットが飲んだのと同じ、仮死状態になる薬を飲んだんだ。
それから15年、姉さんの部屋は閉ざされたままだ。でも姉さんは……

その時、その姉さんの部屋からベルの音がなり始める。
美奈子「あなたは人間が15年間も眠り続けるなんて信じてるの!?」
若い男「いや……だが、たとえ不可能だとしても、姉は……よみがえったんだ」
姉の部屋の扉がゆっくりと開き始めるのを見て、美奈子は耐えきれなく外へ飛び出してしまう。

まあ、ここまでは正統的ゴシックロマンですな。
ここでデイモスが登場します。今回はパンクロッカーみたいないでたちです。
で、美奈子にこう言うんです。
「しかし森羅万象の恐怖を司るこのわたしより、おまえを怖がらせたあの男の役者としての腕はなかなかのもの」

つまり、美奈子は一杯くったんですね。
若い男の言ったことはすべてでたらめ。15年眠り続けている姉なんかいやしません。
扉の向こうにいたのは、寝坊すけな押しかけ女房だったんです。

美奈子はその後、公園で会ったあの娘が、クリーニング屋の自転車に乗っているのを見かけます。
ここで美奈子のモノローグ。
「貧しい少女が自分ではとても買えない豪華なドレスを身につけて、ほんのひととき夢の世界にひたっただけなんだわ」

ここでまたデイモス降臨。
デイモス「見たか?」
美奈子「ええ、あなたの言う通り、私は騙されたのよ。散々怖がった私を、笑いたければ笑っていいわよ」

しかしデイモスは意外な言葉を吐きます。
「だから人間はやりにくい。こけおどしには怖がるくせに、本当に恐ろしいものは見えはせぬ」

これから話は急転直下、予想もしない方向に転がっていきます。池田悦子の奇想の着地が美しく決まっています。
しかしさすが悪魔だけのことはある。
人間の不可解な志向性を的確に評している。
こけおどしには怖がるくせに、本当に恐ろしいものは見えはせぬ。
けだし名言。

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コメント

書店でおじさんが少女漫画を買うことも一つの恐怖

JGさん、早速にありがとうございます。
『悪魔の花嫁』。読んでみたいと思います(僕が急に少女漫画を買いだしたら、妻から不審がられるだろうなあ。でも電子書籍は好みではないし。さてどうしよう…)。

パンクロッカーみたいないでたちのデイモス。
『DEATH NOTE』(原作・大場つぐみ、作画・小畑健)の死神リュークを思い出しました。

子供だなんて思ったら大間違いよシャランラ

 めっちゃ怖かったお話をひとつご紹介させていただきます。タイトルは『聖ロザリンド』セイント・ロザリンドです。
 ロザリンドはロンドンの博物館長を父に持つ8歳の美少女。その天使のような容姿と品のある仕草に誰もが彼女を愛してしまう。しかし、実は彼女は母方の呪われた血を引く天性の殺人鬼。自分の宝物を増やすため、嘘つきをこらしめるため、次々と無邪気な殺戮を重ねていく・・・。
 強烈に印象に残っているのは、苦しんでいる従姉の指を喰いちぎる場面。指輪に触れずに指輪を取ることができたらあげると言われたので、とりあえず毒を盛り苦しむ従姉から指ごとダイヤの指輪をgetしたのです。そして「死にたい」と苦しみもがく従姉を希望通りベランダから海へ突き落としてさしあげます。口元から血を滴らせて美しく微笑む少女が怖すぎです。
 またある時は、遊んでいて怪我をし出血した友人のミンナ(妹)に輸血しようとグレーテル(姉)から注射器で血を抜く。結局ふたりとも失血死させてしまいます。
 嘘つきの舌を切り落とすシーンとか、とにかく低学年の子供には絵が怖すぎでした。

 ちなみに「聖ロザリンド」の作者わたなべまさこさんは『金瓶梅』も書いております。酔いどれのお父様方にはこちらの方がおすすめかもしれませんね(笑)

No title

「悪魔の花嫁」も 機械翻訳泣かせですニャ

前後の文脈がないと 花嫁が悪魔なのか旦那が悪魔なのか判別できない。(まあ 日本語を普通に読めば 旦那が悪魔の方が多数派だろうか)

ちなみに機械翻訳は Devil's Bride

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ジャーナル・ギャップ

Author:ジャーナル・ギャップ
酒と野球とミステリーをこよなく愛するが、なんの因果か中学受験についていろいろ書いていくことに。

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