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「いい学歴を手に入れられるように成績を上げたい」と考える若者は増えてる?減ってる?

本日は数字のお話。特に「数字」に騙されたり、意外な「数字」に驚いたりするお話。

印象と現実の乖離についてよく引き合いに出されるのが、「少年犯罪(特に凶悪犯罪)は増加しているか」という案件だ。
今ではあまりに有名になってしまっていて、意外性も何もなくなったが、10年20年くらい前では結構インパクトのあるサンプルだった。

まあ簡単に言えば、「少年少女による凶悪犯罪が増加している」という空気があるが実は凶悪犯罪どころか一般犯罪ですら減少している、というもの。
こんなもの警察白書を見れば一目瞭然なのだが、少年犯罪はとかく耳目を集めやすく、ニュースとして印象にも残るので、「また少年犯罪か、最近の若者は恐ろしや」となっていくわけだ。
(ちなみに巷間伝わる言説だけで書いてます。ウラは各自でとってください。案外増えているかもしれませんよ)

さて、本題はこちら。
ここ10年~30年で、学歴に関して生徒の意識はどう変わったと、皆さんは推測するだろうか?
すなわち、「できるだけいい学歴を手に入れられるように成績を上げたい」と考える生徒は、この10年~30年で増えただろうか。それとも減っただろうか。
まあ、ちょっと考えてみてください。後で答え合わせをしますよ。

数字と言えば、若い頃こんな失敗をした。複雑怪奇な顛末だったが、簡単に書くとこうなる。
とあるサービス業のコンサルをやったときの話。客単価が10万円で、Aという販促方法を使うと5万円で顧客を1人つかまえられる。Bという販促方法を使うと6万円で顧客を1人つかまえられる。
俺は当然A、B両方使うものとしてその後のシナリオを用意していたのだが、相手先のお偉いさんが「Aしかやらない」と言い出して、結構紛糾した。

「Aのほうがコスパが良いんだから、Aだけでいいじゃないか」と言い出したので、「コスパ大戦なんか頭から外せ!一番利益になる方法を選べ!」という言葉をグッと飲みこみ、
「勿論、Aの方法を主力に行います。ただ、Bも使うことによってAでは取り切れないお客様を取れますし、Bの方法で取れた場合でも1人あたり4万円の利益につながりますので」

それでもなかなか分かってもらえなかったので、最後は裏紙を貰って即興で紙芝居を作って説明した。俺のビジネスマン生活の中で、紙芝居で顧客を納得させたのは後にも先にもあれ1回きりだ。

で、教訓。
1.人は見たいものだけを見る。
2.人は常に合理的判断をするとは限らない
3.紙芝居は結構ウケる。佐藤雅彦が使う理由がよく分かった。

というわけで、ここで先ほどの問題の答え。
「できるだけいい学歴を手に入れられるように成績を上げたい」と考える生徒の割合の推移は下記のとおりです。

学区分 1990 1996 2001 2006 2015    
高校生 54.3 51.4 54.9 58.7 67.0
中学生 62.6 56.4 57.8 61.9 67.2
小学生 **** **** 67.0 67.8 74.6
(ベネッセ「第5回学習基本調査」データブック[2015]より)

どの区分でも随分と上がっていますな。
実は俺の予想とは大きく違っていた。俺は最近の流れとして、「学歴よりも他の能力がこれからの時代では重要だ」と考える若者が多くなっていると思っていた。
でも、現実は真逆だ。
大人が盛んに触れ回る「これからの時代を生きていくのに大切なグローバルでダイバーシティなホニャララ」なんか、若い連中は見透かしているのかもしれないな。

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コメント

大学進学率

大学進学率の上昇ピッチほど成績を上げたい子たちの比率は上昇していないので、豊かになって大学には行けるようになったけど、まあ程々でいいやという感じなのではないでしょうか。

特に、女子の大学進学率の急上昇が目を引きますね。

大学進学率(うち女子)
1990 24.6 (15.2)
1996 33.4 (24.6)
2001 39.9 (32.7)
2006 45.5 (38.5)
2015 51.4 (47.4)

定量分析と個別事象の印象

ある現象のトレンドや、Aという事象とBという事象の相関を語るには、データに基づく定量的な分析が不可欠ですが、某巨大教育掲示板を見ても、そういう視点が皆無な人達が世の中に居る事が分かります。

「別学出身者が不祥事を起こしたから、別学と不祥事は相関がある」
「有名人が後悔したと言ってるから、別学に行くと後悔する」

等々。しかしながら現実社会では、これらが愚かな事だと言い切れないのかなとも思います。

・宇高連絡船紫雲丸事故での小学生犠牲者がきっかけで本四連絡橋設置が推進
・某焼肉店で子供の犠牲者がきっかけで生肉・生レバーの提供が禁止
・某広告代理店での若手女性社員の死がきっかけで働き方改革の推進

不謹慎な話ですが、もしいずれも私のような中年男性のみが犠牲者であったら、世間の耳目を集める事もなく、結果的に世の中を動かす事もなかったでしょう。
また、船舶事故と自動車事故はどちらが比率が高いか、生レバーによる食中毒と、その他の食中毒の率の比較、過重労働が原因と見られる自殺と、他の原因が原因と見られる自殺との比較、などと言った議論は、これらの印象的な個別事象に際しては、議論する事自体が許されない空気が我が国には有ります。

我が国において世の中を動かすのは、定量分析ではなく、多数派の感情を動かす個別事象の印象、なのかも知れません。

Re: 大学進学率

これぐらい女子の躍進が顕著であるなら、ベネッセの統計資料も男女別であったなら、もっと面白いことが分かったかもしれません。

ちなみにうちの若い連中の見立てによると、「できるだけいい学歴を手に入れられるように成績を上げたい」と考える子供が増えているのは、母親の影響だろうとのこと。

この世代の子供を持つ母親はポスト「花の女子大生」世代で、短大四大が増えてきた層。
結果、子どもたちにも「なんだかんだ言っても学歴よ」と教え込んだのではないかと推測している。

しかしそんな簡単に親の言うことなんて聞くかな?

Re: 定量分析と個別事象の印象

> 我が国において世の中を動かすのは、定量分析ではなく、多数派の感情を動かす個別事象の印象、なのかも知れません。

ちなみに湾岸戦争の時に有名になった「油まみれになった水鳥」の映像。
某広告代理店の先輩は「こりゃ嘘っぱちだな」と言い放ったよ。瞬殺。
理由は「感情に訴えすぎてる」。

広告屋というのはスゲエな、と思った。
ちなみにこの先輩、後に感動的なCMを作る名手として、かなりの金を稼ぐようになる。

世の中を動かすのは感情なんだねえ。
とはいえあの某掲示板の一連の言説では、1ミリも感情は動かないけど。

No title

>大学進学率(うち女子)
1990 24.6 (15.2)
1996 33.4 (24.6)
2001 39.9 (32.7)
2006 45.5 (38.5)
2015 51.4 (47.4)

 この数字は驚きました。
 人間というのは「自分の家が普通」だと思うもんである。
 戦前生まれの東北の農家出身のオラの母親は東京学芸大学に入った。1955年入学?かな。

 オラは「学芸大ね、ふーんまあ普通だ」と、失礼なことを思っていたが、上記の数字を見ると、「極めてまれ」なことだったのかもしれない。

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ジャーナル・ギャップ

Author:ジャーナル・ギャップ
酒と野球とミステリーをこよなく愛するが、なんの因果か中学受験についていろいろ書いていくことに。

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