巨人はロッテよりも弱い日本シリーズの話の続き。
日本シリーズは7回戦制だから、一番大きな逆転は3連敗から4連勝ということになる。
過去の歴史でこれを成し遂げたのは、次の3チームだけ。
1958年 西鉄ライオンズ(対読売ジャイアンツ)
1986年 西武ライオンズ(対広島カープ)※
1989年 読売ジャイアンツ(対近鉄バファローズ)
※第1戦引き分けの後に3連敗4連勝。
さて冒頭のセリフは1989年の日本シリーズにおいて、第3戦で勝ち投手になった加藤哲郎投手(近鉄)のものとされている。
現実にはそんなこと言ってないという話から、いやいや囲み取材では言っていたという話まであって、真相は藪の中だ。
しかしチームメイトの阿波野秀幸(名投手!)によると「いつもそれぐらいのことを言っていた」らしいので、まあ加藤氏のコピーライトでいいと思うね。
さて、冒頭の発言(?)が新聞に載って巨人の選手たちが発奮したらしい。第4戦からたちまち勝ちだして、あれよあれよという間に追いつき、最後はひっくり返して日本一をさらっていった。
ちなみに近鉄バファローズというチームは4度優勝したものの、すべて日本シリーズで敗れ、ついに1度も日本一になることなく球団の歴史に幕が下ろされた。
1989年の第3戦の勝利から翌日の新聞が衆人の目に触れるまでの間が、近鉄にとって最も日本一に近づいた時間であったろう。
さて、受験生諸君、この話には強烈な教訓がある。勝負は下駄を履くまで分からない、という格言は御存じのことと思うが、実のところ、努力に努力を重ねて圧倒的な有利を手に入れると、ふとそんな警告も耳を通り過ぎてしまう。
例えば模試でA判定を何度も出すと、なにやら肩の荷が下りて、余裕ができる。
しかし、まだ君は何も成し遂げてやしない。
模試の判定など、競馬の予想と同じだ。どんな素晴らしい理論で予想を進めても、外れれば空に散る藻屑だ。
合格に1ミリまで近づくことと合格することは、全く別物である。
3勝0敗で王手をかけても、それだけではまだ何も手に入れていないのだ。1989年の近鉄バファローズのように。
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